ソフトバンクとトヨタの合同会社であるモネ・テクノロジーズは6月10日、自治体や企業などの事業者向けに、オンデマンドバスや医療・行政MaaSなどの各種サービスをワンパッケージで提供するためのサービスの提供を2021年8月より開始すると発表した。

同サービスでは、車両を活用した各種サービスの提供に必要な管理者システムやドライバー向けアプリ、架装車両などを提供する。これに合わせて、ユーザー向けのスマートフォンアプリ「MONET」の提供も開始した。

  • 事業者向けサービスとユーザー向けMONETアプリのコンセプトイメージ

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まず、オンデマンドバスと移動診療車を活用したモバイルクリニック(車両内のテレビ会議システムを通して受診するサービス)に対応したドライバー向けアプリや管理者システムを提供する。加えて、医療機器やテレビ会議システムなどを設置した架装車両と、複数の診療所・病院で車両やドライバーを共有し効率的なオンライン診療を行うための専用の管理プラットフォームを提供する。

ユーザーは、専用アプリから乗降場所や日時、人数などを指定するだけでオンデマンドバスを予約できる。乗降場所は、自宅付近の場所と、管理者によって設定されたバス停のいずれかを指定でき、車両の位置情報は地図上でリアルタイムに確認することが可能。

  • ホーム画面(左)、オンデマンドバスの予約確認画面(右)

また、モバイルクリニックに関しては、当初は看護師などが専用の管理プラットフォームで予約を行うが、患者や家族などのユーザーが予約状況を確認できる機能や、ユーザーによる予約機能を順次追加する予定。予約に応じて、看護師が医療機器などを搭載した移動診療車でユーザーの自宅付近に訪問し、車両内のテレビ会議システムを通して、遠隔地にいる医師からオンライン診療を受けることできる。

事業者は同社が提供する管理者システムで車両を各種サービスに割り当てることができ、時間帯や曜日によって各車両の用途を変更し、車両の稼働率の向上や遊休時間の削減などにつなげることが可能。

モネテクノロジーはこれまでも、各地で配車プラットフォームを活用したオンデマンドバスの導入や実証を進めている。2021年2月からは、自動運転時代を見据えた「Autono-MaaS」の取り組みとして、東広島市で自動運転車を用いた小売MaaSの実用化に向けたプロジェクトを手掛けている。同社は、これらの取り組みで培った知見をMONETアプリに生かし、今後も事業者によるMaaSの導入を促進することを目指す。