NTT東日本神奈川事業部、臼井農産、コーンテックは6月7日、AIカメラを活用した養豚の体重・体格・肉質計測に関する実証実験を開始すると発表した。同実験の狙いは、養豚業界における生産の効率化および省力化と知見の継承。

  • 実証実験概要

今回の取り組みでは、深度センサー付きAIカメラによって最大50頭の肥育豚に対し同時に体重および体格から肉質を計測し、同時に豚舎の温湿度とCO2濃度も計測する。深度センサーを使用した最大50頭同時の計測は、NTT東日本として初の試みとなる。

計測されたデータはクラウド上のサーバに蓄積され、飼育や出荷判断時に活用される。蓄積された計測データからは飼育や出荷判断データとの相関性が導出され、熟練従業員のノウハウのデータ化による出荷量・質の安定化と知見の継承に役立てられる。

神奈川県では豚の飼養戸数が減少傾向にある一方で、一戸あたりの飼養頭数が1000頭以上に増加しており、効率的な養豚が求められている。豚の飼育において豚舎環境の把握が重要であることから、NTT東日本は神奈川県養豚協会、神奈川県畜産技術センターと連携し、IoTを活用した「飼養環境の見える化」(温湿度データや豚の衛生環境等監視)に取り組んでいる。

4月からは臼井農産とも連携し、CO2濃度センサーを用いた適切なCO2濃度維持と管理方法の見極めに向けた実証実験が進められている。今回の取り組みで集積されたデータはAIなどによる分析と活用に使われる予定で、臼井農産は最高品質の豚肉提供を目指し、NTT東日本とコーンテックは神奈川県内における養豚業へのIoTサービス導入をサポートし、さらに、養豚業の発展に向けた新たな仕組みづくりを検討していく考えだ。