味の素は5月19日、国立長寿医療研究センターとの共同研究の成果に、日本人の食事摂取基準、各種論文などの情報を応用する形で、認知機能の維持に役立つ情報を提供するスマートフォン(スマホ)用アプリ「100年健脳手帳」を開発、公開したことを発表した。また、併せて7 種必須アミノ酸の働きにより、加齢とともに低下する認知機能の一部である注意力と認知的柔軟性を維持し、前向きな気持ちをサポートする機能性表示食品「脳活セブンアミノ」を2021年5月25日より発売することも発表した。
高齢化が進むことで認知機能の低下に悩む人が増え、それに伴い、医療費や介護費などのコストが年々増加していくなど、認知症は解決すべき健康課題として考えられるようになってきた。また、アルツハイマー病などは、脳にアミロイドβ蓄積など病理学的変化の存在が疑われるが、認知機能は正常である状態であるプレクリニカル期から注意すべきといった考え方も出てきており、認知機能の維持に向けたサービス市場の成長が期待されるようになってきている。
こうした背景を踏まえて開発されたのが同アプリで、国立長寿医療研究センターとの認知機能に関する共同研究の成果をもとに、食事、運動、睡眠を指標としたユーザーデータを、独自アルゴリズムで解析・評価し、現在の状態を基に、将来 予想される認知機能の状態を可視化することを可能としたもの。これにより、ユーザーの状態にあったアドバイス、認知機能の維持に必要な栄養素が摂取できるレシピを味の素のコーポレートキャラクターである「アジパンダ」が提案するといった仕組みとなっている。
同アプリのコアターゲットは45~64歳としており、味の素では「100年健脳手帳」を通じて、手帳のように日々の生活に寄り添いながら、食事、運動、睡眠の生活習慣の改善につながるアドバイスを行い、ユーザーの認知機能維持を長期にわたってサポートしたいとしている。iPhone版が先行して提供が開始されており、Android版は2021年秋に公開される予定だという。
一方の「脳活セブンアミノ」は、味の素の長年のアミノ酸研究を通じて開発された7種必須アミノ酸を配合したサプリメントで、記憶力の衰えを感じている健康な中高年の方の、加齢によって衰える認知機能の一部である注意力と認知的柔軟性を維持し、前向きな気持ちをサポートする機能があると同社では説明している。
なお、同製品について同社では2021年度で約3億円(消費者購入ベース)の売り上げを目指すとしている。