NTTドコモと東急バスは3月23日、バス車内の混雑平準化に向けた人々の行動変容を促す実証実験を開始すると発表した。第1弾として、バス停留所のデジタルサイネージへナッジを使用したメッセージ配信を3月24日から4月27日までの平日に実施する。

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今回の実証実験では、東急バスが3月3日から実施しているバス車内のリアルタイム混雑状況の配信を利用し、バス停留所のデジタルサイネージにドコモが持つナッジ理論を生かした混雑回避メッセージを配信する。混雑したバスの乗車を見送るなど利用客の行動を変えるきっかけとしての効果の検証が目的だ。なおナッジとは、人々にちょっとしたきっかけを与えて行動の変化を促す、行動経済学の理論のこと。

混雑したバスを避け空いているバスに乗車することで、快適な環境での乗車を可能にすることや混雑の平準化による遅延の解消といった、課題の解決が期待できるとしている。同実証実験では、趣向を変えた複数のメッセージを配信することでより効果的な案内の方法を検証し、利用客への案内方法の改善を検討する。

デジタルサイネージを設置する対象は、東京都目黒区及び品川区内の一部停留所。ドコモは、ナッジ理論を使用した混雑回避メッセージパターンの企画を担当し、東急バスは、各バス車両におけるリアルタイム混雑情報配信システムの提供および混雑回避メッセージの決定及び配信管理を担う。また両社は協働して、行動変容技術の評価を実施する。

なお両社は実証実験の第2弾として、利用客のスマートフォンへ行動変容を促すメッセージ配信も予定しているとのことだ。