オフィスでも在宅でも、生産性は課題。日本は労働生産性が低いと言われており、働き方改革のもとでのプレッシャーも大きくなっているかもしれない。是々非々で対象が異なる状況を広義な言葉で一括にされてはかなわないという声も耳にするが、"粗製乱造"では元も子もなくなってしまう。アイデアを練る時間、リフレッシュする時間、集中する時間とうまく「時間管理」できることも重要になりそうだ。

新しいトピックではないが、永遠のトピックについて、英国のビジネスコンサルThe Big Bang Partnershipがブログ「20 Productivity Hacks and Time Management Tools for Entrepreneurs」で紹介している。起業家向けではあるが起業家じゃない人でも十分に参考になりそうだ。ブログを書いたThe Big Bang Partnershipの創業者Jo North博士は「Idea Time: Creative thinking for entrepreneurs」(アイデアタイム:起業家のための創造的思考)を著書に持つなど効率的な時間管理を実践する女性。20のハックの中から、パワーナップ(昼寝)などよく指摘されるものは除き、以下に8つをピックアップしてみた。

1.ニュースはスキップ
「ニュースを読むと生産性のレベルが落ちる」とNorth博士が主張する背景には、ニュースはネガティブなものが多く、自分の幸福感にネガティブな影響が出るから、とのこと。生産性改善に向けた第一歩として、ツールの前に心理状態がポジティブで幸福を感じていることが重要、という。
特にWebには24時間365日ニュースが溢れている。必要最低限のニュースをおさえたら、他のタスクに時間を向けた方が生産性は上がる。

2.アプリで時間管理
記事では「Toggl」を紹介している。何をやっていたのかを記録する時間管理のアプリサービスだ。生産性を改善したいのなら、自分の時間の使い方を「見える化」する必要があるということになる。PCとスマホの両方があるので、例えば会議が始まる時にスタート、終わったら終了としてボタンをおす。後から何にどのぐらいの時間を使っているのかが把握できる。

自分個人の生産性アップのために使うのもいいが、チームで使って全体の改善につなげることもできるという。

3.日光を浴びる
日光を浴びることは生産性の改善につながるという研究もあるとのこと。是非とも光の当たるところで作業したい。

4.瞑想
記事では「Calm」という有料アプリを紹介している。瞑想、睡眠、集中力を高めるための動画やコンテンツが用意されており、無料のものもある。

5.音楽
音楽は気分を上げてくれたり、逆に落ち着けてくれるなどの作用がある。実際、79%の人が、音楽があると生産性が上がるという結果があるそうだ。もちろん、音楽ならなんでもいいといわけではない。どのような音楽と相性がいいか、試してみてもいいかもしれない。

6.緑
日光と同様、植物も良い効果があるという。15%生産性がアップするという調査もあるそうだ。サボテンのように手のかからない植物もある。ぜひオフィスに、在宅勤務中の方はデスクの近くに緑を。

7.プレゼンは完璧でなくていい
もしあなたが完全主義者なら、肩の力を抜いて完璧を目指すのをやめて良さそうだ。時と場合によるが、プレゼンは常に完璧でなくてもいい。むしろ、ちょっと情報に抜けがあるプレゼンの方が、聞いている人から質問が入るなど、やりとりが進む可能性があるとアドバイスしている。プレゼン作成に時間を割くよりも、何を伝えるのかにフォーカスして準備をするべきだろう。

8.過去のことをクヨクヨ悩まない
仕事に関連した会話のうち、80%が過去の問題について、15%が現在の状況についてだという。つまり、将来についての会話はわずか5%にとどまっているのだ。
toggle trackアプリでの計測画面。シンプルなストップウォッチでこまめに時間を計測

toggle trackアプリでの計測画面。シンプルなストップウォッチでこまめに時間を計測

常に携帯するアプリはやはり「時間」管理には欠かせないツールになっていることが印象的だ。記事で紹介されているToggleは、2006年にエストニアで誕生したサービス。タイムライン、ボード式でマルチユーザーでのタスク管理ができるWebサービスやアプリでタスクの時間計測を行いクラウドで自身やチームのインサイトを得られるアプリtoggle trackなど時間管理を基軸にサービス開発を進めている。

なかでも、toggle trackはアプリとWebサービスが継ぎ目なく連携している。持ち歩くスマホアプリには秒単位で計測できるストップウォッチが搭載されており、これで日々のタスクを計測する。Webサービス側ではPCの大きなモニタでトータルな振り返りや分析ができ、プロジェクトやチームとの連携もシームレスだ。一体自分の業務のどこに時間がかかっているのか?調べ物や特殊な業務では意外に時間がかかるものだなぁ。など隠れた知見も把握できるかもしれない。ただし、映画「ショーシャンクの空に」のワンシーンでは無いが、労働とは言え監獄では無い。くれぐれもトイレの時間を計測するようなことは避けたいものだ。

  • クラウドでは集積した時間を総覧分析できる

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