千葉県教育委員会と日本マイクロソフトは1月22日、記者会見を開催し、県立学校(高等学校・特別支援学校・中学校)の生徒などが情報活用能力を高めるために、ICT利活用を推進するための連携に関する協定をオンライン上で締結した。
同教育委員会は、2020年に策定した「次世代へ光り輝く『教育立県ちば』プラン」をもとに、「人生を主体的に切り拓くための学びの確立」や「教育現場の重視と教員の質・教育力の向上」などの施策に取り組んでいるという。
会見に登壇した千葉県教育委員会 教育長 澤川和宏氏は、「GIGAスクール構想の実現に向けて、校内学習用ネットワークの高速化、大容量通信への対応などを進めている。これからは教育機関において、AIや学習支援ソフト、グループウェアなどが文房具の代わりになってくるだろう」と語った。
両者は同協定に基づき、県立学校におけるICT活用向上に関すること、教員の授業力向上に関することについての取り組みを実施する。
具体的には、先ず新型コロナウイルス(COVID-19)の対応における分散登校や短縮授業を見据えた協力を行う。県立学校のすべての教員と生徒などが日本マイクロソフトのコミュニケーションツール「Microsoft Teams」を利用し、課題の作成・配信・提出やチャット機能を使ったコミュニケーションなどを実施できる環境を構築する。
また、ICT活用指導力向上のための教員コミュニティ育成に関する協力として、Teams上に教科毎のチームを設けて、教員コミュニティを育成し、投稿・チャット・ファイル共有機能を用いて意見交換できる環境の構築も実行する。
さらに、教員が指導案や教材を相互活用できる「共有ポータル」に関する協力として、教員が指導案やオリジナル教材を共有し相互に活用できるポータルサイトを、MicrosoftSharePointとMicrosoft Power Platformを用いて作成する。また、共有ポータルに掲載するコンテンツとして、Teamsを始めとするOffice 365の教育向けコンテンツや、STEM教育に役立つカリキュラムと教材をまとめた「ハッキングSTEM」などの提供も行う。
それだけでなく、教員向けにOffice 365を中心とした利活用研修も実施していく方針だ。 日本マイクロソフト 執行役員常務 佐藤亮太氏は、「新型コロナウイルスなどの直近の対応はもちろんのこと、その先のGIGAスクール構想が実現した後まで見据えたうえで、複数の取り組みで千葉県の教育を支援していきたい」と語った。