ファイザー、ライフデータイニシアティブ、NTTデータの3者は12月14日、医療ビッグデータを活用した研究を進めるため、「次世代医療基盤法」に基づく匿名加工医療情報提供に向けた契約を締結したと発表した。

次世代医療基盤法は、国民の医療情報を先進的な研究開発に利活用し、健康長寿社会を実現するための、医療情報の利活用促進を目的とした法律。2017年5月12日に交付され、2018年5月11日に施行された。

  • 次世代医療基盤法概要 出典:内閣官房ホームページ

ライフデータイニシアティブとNTTデータが提供する匿名加工医療情報提供事業では、レセプトデータ・DPC(診断群分類別包括評価)調査データに加え、電子カルテデータまで参照できる。

同契約では、次世代医療基盤法に基づいて得られた、日常診療における医師の診察記録などのリアルワールドデータ(RWD)をもとに、レセプトデータやDPC調査データから得られる情報だけでは困難とされるという、治療の効果や安全性の臨床アウトカムを評価する方法論について研究を行う。

具体的には、RWDには医師の診療録などテキストデータが多く含まれる電子カルテの情報があり、それらをどのように臨床アウトカムの評価に資するデータとして取得するか検討する。

その検討結果から、電子カルテ情報から臨床アウトカムを生成する方法・アルゴリズムを開発し、解析を行うために必要な情報を、全国の施設が含まれたデータベースからどの程度取得できるのかを確認する。

同方法論の確立により、個別化医療進展、医薬品アクセス早期化などに向けたエビデンスの創出が可能となることが想定されるとのことだ。今後は、AI解析(機械学習・深層学習・自然言語処理)などの先端技術も取り入れ、データベース上では整理が難しいデータが含まれる電子カルテの使い勝手を良くしていく方針だ。