NECは12月9日、ファクトリコンピュータ「FC98-NXシリーズ」の新たなカテゴリーとして、過酷な現場環境での利用を可能とし、無線通信に対応した「ファンレスボックスタイプ」新製品2機種を12月18日より販売開始すると発表した。
同製品はファンレス設計の採用により防塵性を有しており、無線通信にも対応する小型筐体。防塵性についてはIP5x(防塵性能規格)に準拠し、製造・交通・物流現場や農業の圃場などでの利用も可能。またNECのファクトリコンピュータシリーズで最小サイズの「省スペースタイプ」と比較して体積を約1/2まで小型化している。
さらにオプションで無線LAN、3G/LTE、920MHz帯特定小電力無線の3種の無線通信モジュールを選択でき、現場環境に合わせて搭載可能。これにより、設備の稼働状況や温度・湿度などの環境を遠隔監視できるほか、複数の設備・センサ・IoTデバイスから収集したデータを一時処理し、必要な情報だけを転送することにより、システムの負荷を低減し、リアルタイムな処理が可能だとしている。
搭載するCPUには、Intel Celeronプロセッサーに加えて、より高性能なIntel Core i3プロセッサーを選択可能。画像をはじめとする大容量データの転送などの高負荷な処理にも対応しているといい、IoTシステムのエッジコンピュータ用途に適している。また、拡張スロット(PCI-e×16 1スロット)を装備し、増設LANボード、I/0拡張ボードもオプションとして用意されており、周辺機器や設備との連携ができる。
同社は今後、5年間で2万台の提供を目指し、海外認証モデルも提供する予定だ。