パロアルトネットワークスは11月18日、ユーザーエクスペリエンスを向上させながら拠点導入とネットワーク運用を簡素化する次世代SD-WANソリューション「CloudGenix SD-WAN」と新たなSD-WANアプライアンスを日本市場で展開すると発表した。CloudGenix SD-WANおよびCloudGenix ION 1000、CloudGenix ION 9000は、同社の各パートナー企業から2021年1月以降に順次提供を予定している。

  • SD-WANアプライアンス「CloudGenix ION 1000」(写真上)と「CloudGenix ION 9000」

    SD-WANアプライアンス「CloudGenix ION 1000」(写真上)と「CloudGenix ION 9000」

同社は、2020年4月に買収したCloudGenixの次世代SD-WANソリューションに機械学習機能とPrisma Accessとのシームレスな連携を追加し、新たなSD-WANアプライアンス「CloudGenix ION 1000」や「CloudGenix ION 9000」などのアプライアンスも提供する。

これらのソリューションの主な特徴として、アプリケーション層の可視化により、ネットワーク部門がアプリベースのポリシーを作成して、すべてのアプリに対するSLA(サービス品質保証)を提供できるようになり、エンドユーザーのエクスペリエンスを向上させるという。

また、機械学習とデータサイエンスにより運用と問題回避を自動化し、WANおよびアプリケーションへのアクセスに関するサポート工数を最大99%削減するとしているほか、ネットワークとセキュリティを含む拠点向けサービスをクラウドから提供し、WAN管理を簡素化するとともに、短時間で拠点への導入を可能としている。

さらに、ネットワーク運用の簡素化およびキャパシティプランニングの改善のため機械学習と分析機能を追加しており、複数のアラームが発生した際に根本原因のイベントを自動識別でき、問題解決までの時間が短縮され、状況に応じて問題解決も自動化できるという。

分析機能は利用しているWANコネクションは何か、それをいつ利用していたか、どのアプリが利用したかを容易に把握できるようになり、キャパシティプランニングを簡素化を可能とし、将来的には機械学習を他分野でも活用することを計画している。

加えて、SASE(Secure Access Service Edge)プラットフォームであるPrisma Accessとシームレスに連携し、拠点内および拠点間のトラフィック、さらに拠点からパブリッククラウドまたはプライベートクラウド上にホストされるアプリケーションへのトラフィックも保護できる。クラウドでホストされるAPIアーキテクチャを利用し、拠点内のハードウェアやソフトウェアをアップグレードする不要がなく、Prisma Accessなどのクラウドサービスとシームレスに連携する。

CloudGenix ION 1000は小売業界やSOHO向けに設計された小型SD-WANアプライアンス。ファンレスで、小型静音であり、サーバルームのない環境への設置に適しており、新型コロナウイルス感染症拡大対策に伴うリモートワーク環境の構築の際に、企業のポリシーに適応した上でパフォーマンス制御や可用性、セキュリティを確保するという。

一方、CloudGenix ION 9000は大規模拠点や本社向けに従来のフラグシップ機器の2倍となるマルチギガビットのスループット性能を備え、物理的なWAN障害の影響を軽減するように設計され、障害発生時に通信を保護する高可用性を提供するとしている。