KDDI、南予広域連携観光交流推進協議会、JR四国、全日本空輸(ANA)、伊予鉄バス、宇和島自動車、瀬戸内ブランドコーポレーション、愛媛県バス協会、石崎汽船は10月15日、愛媛県南予地域(南予地域)の公共交通の利便性向上や移動のシームレス化による観光客の満足度の向上を目的とした観光型MaaSの実証実験を同29日から12月31日の期間で実施すると発表した。
参加9団体は、実証実験の実施に向けて「南予観光型MaaS実証実験協議会」を設立。南予地域の交通機関を利用できる「えひめ いやしの南予デジタルフリーパス」を販売し、アプリダウンロードや会員登録、クレジットカード登録が不要な観光型MaaSサービスを提供する。
実証実験では南予地域のJR、伊予鉄グループの路線バス、宇和島自動車の路線バスが乗り放題となるデジタルフリーパスによる観光型MaaS実証を、愛媛県南予地域および松山市、広島港、呉港(宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊方町、松野町、鬼北町、愛南町、松山市、広島市、呉市)で実施。
えひめ いやしの南予デジタルフリーパスは、南予地域のJR四国の特急列車、伊予鉄グループの路線バス、宇和島自動車の路線バスが乗り放題となり、大人6000円/小児3000円で発売するほか、オプション設定として追加1000円で松山観光港、松山空港からのリムジンバスの利用や、広島港、呉港からのスーパージェットの乗船券(別料金)も購入可能。そのほかにも、内子・大洲エリアを散策できる「内子・大洲町並散策1日パス」(大人2840円/小児1420円)を販売する。
また、アプリ不要、登録不要、接触不要なデジタルチケッティングサービスとして登録済の決済手段を呼び出すことで、会員登録、クレジットカード登録をすることなく、料金の決済をすることができ、外出先でクレジットカードを出し入れして入力作業をすることなく、デジタルフリーパスの購入を可能としている。交通機関乗車時、降車時には、駅やバス車内に設置したNFCタグにかざすもしくは、QRコードを読み込み、デジタルフリーパスを見せるだけで交通機関が利用可能なため、アプリのダウンロードを不要とし、観光施設も入場することができる。
さらに、交通機関の利用状況に応じたポイント交換システムを提供し、交通機関の乗車、降車ごとに「南予のりつぎポイント」が1ポイントずつ貯まり、合計4ポイント貯まると南予地域の観光施設の入場券と引き換えができるという。
加えて、ANAアプリと連携し、松山空港、広島空港を発着する航空券を持っていればANAアプリ上の空港アクセスナビを開いた際に、条件選択画面・検索結果画面に表示されたリンクから観光型MaaSサービスサイトにアクセスできる。空港アクセスナビからのアプリ内ブラウザのまま、観光型MaaSのデジタルフリーパスの購入から利用などまでが可能となる。
各者の役割として、KDDIは全体企画、協議会の幹事、観光型MaaSプラットフォームの提供を、南予広域連携観光交流推進協議会は南予9市町村との連携、域内観光施設との連携を、JR四国はデジタルフリーパスの造成を、ANAはアプリ上の空港アクセスナビとの連携、域内宿泊施設との連携、GoToキャンペーンとの連携を、伊予鉄バスは松山空港リムジンバス、松山観光港リムジンバスとの連携を、宇和島自動車は域内路線バスとの連携を、瀬戸内ブランドコーポレーションはプロモーション活動を、愛媛県バス協会は域内交通事業者との調整を、石崎汽船はスーパージェッ (船舶)との連携を、それぞれ担う。
そのほか、国土交通省 四国運輸局が実証実験への助言(協議会へのオブザーバー参加)、カカクコムが飲食店情報の連携、au損害保険が旅行保険などの提供において協力する。