電通は9月16日、電通グループとトヨタ自動車が2021年1月に発足させる予定の新体制において、トヨタ及び同社の子会社であるデルフィスと共に、トヨタのマーケティング変革とビジネス創造を推進・加速していくと発表した。具体的には、トヨタと電通グループが出社して持株会社を設立し、その傘下に事業会社2社を置く。
新体制では、トヨタのビジネスモデルの変革をスピーディーに推進するために、自動車業界のマーケティングに特化し販売店を中心としたリテール領域にも強みがあるというデルフィスと、電通との知見・ノウハウの融合を図るとのこと。
これにより、トヨタの「お客様から最も信頼されるブランドづくりに向けた新たなコミュニケーションの革新」「デジタル社会の進展など、時代の変化を先取りした新たなマーケティングへの変革」「モビリティ社会でのビジネスへのチャレンジ」を追求していくとしている。
従来の手法にとらわれず、自動車メーカーの領域及び広告会社の領域を超えて、顧客の状況やニーズなどの情報を正確に把握し、新しいビジネスに展開していくこと、またそれを世の中に提案していくことを目指すという。
電通は、事業成長パートナーとして新体制に参画し、顧客企業のマーケティング及びビジネス変革を推進していくとのことだ。
トヨタ、電通グループ、デルフィスの3社は2020年9月に、デルフィスによる電通グループへの第三者割当増資を含む資本業務提携契約を締結した。今後は各国の競争法当局の承認などを取得後、電通グループがデルフィスに出資し、新体制発足に向けて準備を進めていく方針だ。
事業会社のうち1社は、デルフィスから社名を変更するもの。 デルフィスの事業を基盤に、1.顧客から最も信頼されるブランド作りに向けた新たなコミュニケーションの革新、2.デジタル社会の進展など、時代の変化を先取りした新たなマーケティングへの変革、3.モビリティ社会でのビジネスへのチャレンジを行っていくとのこと。
事業会社のもう1社は新設であり、リテール領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進により、デジタルコミュニケーション分野の研究機関として、新たな仕組みとビジネスの創造に取り組む。
持株会社(HD社)は、これらの事業会社を完全子会社として統括し、マーケティング領域の変革に関する戦略的意思決定を行うとのこと。出資比率は、トヨタが66%、電通グループが34%。