Zoom Video Communicationsは6月17日 (現地時間)、有償ユーザーのみとしていたエンド・ツー・エンド暗号化 (E2EE)の通信オプションを無償ユーザーにも提供することを明らかにした。

プライバシー保護と安全性の不備を指摘されて対応を約束していた同社は、セキュリティ強化策の一環としてE2EEオプションを提供する。5月22日にE2EEのドラフトデザインをリリースした段階では、秘匿性の強化が迷惑行為の助長につながる可能性があるため、バランスを考慮し、E2EEを必要とするビジネス層やエンタープライズ層、教育機関向けの提供になるように有償ユーザーへの提供としていた。しかし、セキュリティやプライバシー保護の専門家、政府関係者、ユーザーからのフィードバックに耳を傾け、議論を重ねた結果、Zoomプラットフォームにおいて全てのユーザーがプライバシー保護と安全性を確保できる環境の実現を優先することにした。

無償ユーザーはテキストメッセージによる電話番号確認など簡単な追加プロセスでE2EEの通信オプションにアクセスできるようになる。

Zoomは17日にアップデートしたE2EEのデザインをGitHubにリリース、2020年7月から初期ベータを開始する予定だ。ビジネスフォンやSIP/H.323会議システムなどの制限を考慮し、E2EEはミーティングごとにホストがオン/オフを設定するオプション機能になる。