レッドハットは5月19日、4月28・29日に米国で開催したオンラインイベント「Red Hat Summit 2020 Virtual Experience」 に関する説明会を開催し、同イベントで発表された新製品および国内における販売戦略を紹介した。
Red Hat クラウドプラットフォーム部門 製品担当 バイスプレジデント ジョー・フェルナンデス氏は、「Red Hat Summit 2020」で発表された新製品として、「Red Hat OpenShift 4.4」「Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes」「OpenShift virtualization」を挙げた。
「Red Hat OpenShift 4.4」は、同社が提供するエンタープライズKubernetesプラットフォームの最新版。Kubernetes 1.17にベース変更されており、多機能プロキシサーバ「HAProxy」をサポートしている。フェルナンデス氏は、同製品について「パブリッククラウドやデータセンターなど、あらゆる場所でクラウドライクな体験を実現し、運用を改善する」と語った。
「Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes」は、オンプレミス、ベアメタル環境、パブリッククラウド上にデプロイされたRed Hat OpenShiftから、Amazon Web Services、Google Cloud Platform、IBM Cloud、Microsoft Azureのネイティブ・クラスタまでKubernetesクラスタを一元管理するための製品で、ハイブリッドクラウドにおけるKubernetesの管理を簡素化する。また、ポリシーを活用することでガバナンス、コンプライアンスを高める。
「OpenShift virtualization」は、コンテナと仮想マシンの一元管理を実現する製品で、「Red Hat OpenShift」の一機能として提供される。現在、テクノロジー・プレビューとして提供されており、一般提供は2020年の後半を予定している。
また、フェルナンデス氏はRed Hat Summitで発表された新たなイニシアティブとして、以下を紹介した。
- 新規顧客向けにTechnical Account Managementを50%割引で提供
- プロダクトライフサイクルの延長
- 一時解雇者と求職者に無料トレーニングを実施
- 誰でも利用な50万以上の無料オンライントレーニングを提供
国内における販売戦略については、レッドハット 製品統括・事業戦略 担当本部長の岡下浩明氏が説明した。岡下氏は、「今後、Kubernetesを基盤としたクラスタのニーズが高まってくることが予想される。よって、クラスタをいかに簡単に作ることができるかが重要となる。例えば エッジでクラスタが使われるようになるだろう。われわれは、ハイブリッド型マルチクラスタの運用を容易にすることを目指す」と語った。
加えて、岡下氏はマネージド・クラウドの選択肢を増やすことも国内の戦略の1つと説明した。例えば、IBM Cloud上の「Red Hat OpenShift on IBM Cloud」、Microsoft Azure上の「Azure Red Hat OpenShift」に続き、Amazon Web Servicesと共同で管理・サポートを行う「Amazon Red Hat OpenShift」も発表された。また、「Red Hat Summit 2020」ではGoogle Cloud Platformでの提供も発表された。
そのほか、岡下氏は注力する業界について、「今後、5Gが需要が高まることが予想されることから通信業界に力を入れる。5Gと同様に、新たなサービスの開発が活発に行われている金融業界、公共にも注力する」と説明した。