便利なWeb会議、でも自宅にWi-Fiがないと厳しいかも
新型コロナウイルスの影響で、日本でもテレワークやリモート授業が一気に広がった。テレワークに関しては、これまで総務省や厚生労働省が推進の旗振りを行ってきたが、想定されていたほど活用が進まなかった。
そうした中、新型コロナウイルスの感染拡大は良くも悪くもテレワークやリモート授業を広げるきっかけとなり、多くの企業や教育機関がこうした技術の活用を経験することになった。
光回線や4G(第4世代移動通信システム)の整備に、スマートフォンやPCの高い普及率など、日本はテレワークやリモート授業を実現するためのインフラやデバイスが比較的整った状態にあった。最近はWeb会議のアプリもサービスも簡単に使えるようになっている。アプリやサービスは無償のままでもかなりのことができるし、有償の料金もそれほど高くない。技術的にも状況的にも、Web会議を使ったテレワークやリモート授業を実現する障壁は低かったといえる。
こうした技術を実際に利用できることがわかったことで、多くの組織がWeb会議の活用を初めている。しかし、検討しなければいけない事情が存在していることも事実だ。特に、モバイルデータ通信しかデータ通信手段を持っていない学生や個人、家族がこうした問題に直面している。
モバイルデータ通信には上限がある
スマートフォンで動画を見過ぎたり、スマートフォンでテザリングを行っている間に誤ってPCソフトウェアのアップデートを行ったりして、スマートフォンのモバイルデータ通信の上限を超えてしまったことがある人もいるだろう。
モバイルデータ通信の上限を超えるとどうなるかというと、通信速度が著しく遅くなる。4Gの通信速度に慣れていると、この遅さは耐え難いものがある。通信速度制限の解除はタイミングはキャリアごとに異なっており、注意が必要だ。
Web会議では少なくない量の通信データが使われる。しかも、時間も長い。1時間や2時間といった単位で利用されることが多い。毎日Web会議をするとなると、それなりの通信が消費されることになる。
以下のスクリーンショットは、筆者が実際にWeb会議アプリ「Zoom」で1時間のWeb会議を行った後の通信量を示したものだ。このケースでは、1時間で680MBほどの通信量が消費されたことになる。通信速度制限の上限にひっかかる条件はキャリアとプランに依存しているので、なんとも言えないのだが、以下のスクリーンショットのケースだと、この日にあと何回か同じような会議をすると、上限に到達する可能性もある。
通信速度制限の対象となると生活が不便になるので、Web会議を行う場合はWi-Fiに接続するなどして、モバイルデータ通信を使わないようにすることが推奨されることが多い。しかし、自宅からの作業を求められる現在、そもそもWi-Fiがないという環境があることに留意する必要がある。