富士フイルムは12月18日、ヘルスケア領域のさらなる事業拡大に向けて、日立製作所の画像診断関連事業を買収すると発表した。買収完了は所要の競争法規制当局のクリアランスの取得などを条件とし、2020年7月を予定している。買収金額は約1790億円の見込み。
日立は新会社を設立し、対象事業である画像診断関連事業を承継するという。富士フイルムはこの新会社の全株式を取得する株式譲渡契約を、日立と締結した。
具体的な事業内容は、画像診断システム(CT、MRI、X線診断装置、超音波診断装置など)及び、電子カルテなどの研究開発・製造・販売・保守サービス。
日立は1953年にX線撮影装置を製品化して以来、画像診断システムを始め、ITを利用したサービス、電子カルテなど、医療の質向上と効率化を実現するソリューションを提供しているという。
画像診断システムでは、CT、MRI、X線診断装置、超音波診断装置など幅広い製品ポートフォリオを保有しており、安定的な収益基盤とさらなる成長ポテンシャルの双方を兼ね備え、グローバルで高いプレゼンスを確立しているとのこと。
特に超音波診断装置では、世界トップを目指し、高画質で快適な操作性を実現する幅広いラインアップを展開しているとしている。
富士フイルムは、対象事業の買収によってメディカルシステム事業のさらなる拡大を実現し、同社の画像処理技術・AI(人工知能)技術を対象事業の幅広い製品ラインアップに搭載し、新たな付加価値を創出することで、医療の質の向上に貢献していく。
さらに、既存の販売ネットワークを利用し、これらの価値をグローバルに提供していくとしている。
今回の買収による具体的なシナジーとして同社は、製品ラインアップの拡充によるワンストップでのトータルソリューションの提供、自社の画像処理技術やAI技術と製品を組み合わせた革新的なソリューションの提供、販売チャネルの相互活用による営業力強化の3点を挙げる。