コンカーは12月13日、AIを活用したOCR(光学的文字認識)技術により、スマートフォンで領収書を撮影するだけで、経費精算・管理クラウド「Concur Expense」にデータが自動入力される新機能「ExpenseIt(エクスペンスイット)」を、SAP Concurのモバイルアプリに搭載したほか、交通系ICカード(Suica、PASMOなど)をiPhoneにかざすだけで、近隣交通費のデータを読み取り、Concur Expenseに自動入力できるモバイルアプリの開発に着手したと発表した。これにより、従来必要だった専用の据置型ICカードリーダー端末を使用せず、iPhoneを使ってエンドユーザーが個々に近隣交通費のデータを直接取り込むことが可能になるという。
ExpenseItは、スマートフォンで撮影した領収書の情報をOCRで読み取り、Concur Expense上での経費精算レポート作成をサポートし、SAP Concurモバイルアプリの新機能として搭載された。
従来は領収書の撮影後、経費明細の入力作業がエンドユーザー側で必要だったが、ExpenseItを用いて領収書を撮影すると、支払先名、経費タイプ、金額、通貨、日付がAIにより自動判別された経費明細データがConcur Expenseに自動で取り込まれる。
また、ユーザーが加えた修正内容はクラウドシステムに蓄積され、AIがそれを学習することで、利用を重ねるほどにOCRの自動読み取り能力が向上する仕組みとなり、同機能は「Concur Expense Professional」「Concur Expense Standard」連携して使用することができるという。
一方、Concur Expenseに自動入力できるモバイルアプリに関しては、従来から交通系ICカードからのデータ読み取りには据置型ICカードリーダー端末が必要だったが、iOS13以降を搭載したiPhoneで起動し交通系ICカードをかざすだけで、利用日・金額・乗降駅といったデータを読み取り、Concur Expense上での経費精算レポートの作成をサポートするという。
これにより、据置型ICカードリーダー端末を購入・設置をすることなく、いつでもどこでも交通系ICカードのデータを取り込んで電車代、バス代、タクシー代などの精算申請が完了できるようになり、同アプリはConcur Expense Professional、Concur Expense Standardと連携して使用することが可能とし、リリースは2020年前半を予定している。