日立ソリューションズ東日本は10月16日、製造業の設備と人の状況を可視化し、これまでのデータ分析のノウハウを活用したという製造業向けの生産性向上IoT/データ分析ソリューションである「WellLine」を提供開始した。今後3年間で、周辺SIを含め5億円の売上を見込む。

  • 設備稼働分析の画面例

新ソリューションは、多様な設備の運転/停止/障害(エラー)などといった稼働ステータス(ユーザー企業の運用に合わせて設定可能)を、無線技術を使って容易に収集できるという。

設備の可動ステータスに加え、人の位置と作業を取得し、取得した情報を「人・設備チャート」で合わせて見ることで設備稼働と人の作業の関係を可視化できるとのこと。 設備と人の作業を比較し、タイムラグを確認することで時間のロスや課題の発見が可能になるとしている。

また、無線機能を持つセンサーを内蔵した「サイコロ型デバイス」を使用して、設備の周辺で行われている人の作業を収集し、同様のセンサーを携帯タグとして作業者が持ち歩くことで、フロア中のどの区画に滞在していたかの履歴も収集できるとのこと。

収集したすべてのデータは、その都度クラウドにあるデータベースに送信・格納し、即座にアンドンや分析画面、人・設備チャートで可視化が可能になるとしている。

従来は現場にいなければ把握できなかった稼動状況を、ネットワークとPCを使って離れたオフィスや外出先からでも把握でき、また製造の現場でも大型ディスプレイを使い、フロアを俯瞰するためのアンドンとしての利用も可能とのこと。

また同ソリューションは、製造現場の設備の稼働データや生産データ、状態データに加えて、作業員など人の行動を含めたデータを収集し、設備と人の稼動情報を合わせて可視化・分析することにより、非生産・ロス時間を認識し生産性低下の要因を発見可能という。

現場で発生したデータを収集・蓄積し、生産性の目安として可動率などの指標を提供し、指標は見やすい様式のチャートで可視化しているため、データ集計に費やす時間が無い人や数値の読み解きの経験が無い人でも、容易に状況の把握が可能になるとのこと。

同ソリューションを日頃の改善活動に活用することで、生産性の改善に役立てられるとしている。