NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、10月3日と4日の2日間、都内のホテルでプライベートイベント「NTT Communications Forum 2019」を開催。基調講演では、同社 代表取締役社長 庄司哲也氏が「創立20周年を迎え新たな創業を目指すNTTコミュニケーションズ」と題して講演を行った。
冒頭同氏は、「NTTコミュニケーションズは1999年に創業し、今年は20周年の節目を迎える。今年は、新たな創業として、『今日と未来の間に。』をテーマとして掲げた。これから、新しいチャレンジが始まる」と、決意を語った。
『今日と未来の間に。』は、これから10年、20年先の未来を見据えた同社のコーポレートメッセージで、今日と未来の間を常に媒介し、「今日」も世の中を支えながら、「未来」を創り続けることを表現しているという。また、「今日」には、過去から現在に至るまで、変わらず社会を支え続けてきた自負を、「未来」には、一秒先から遠い将来までを、「まだ見ぬコミュニケーションの創造」により、切り拓いていく決意を表現しているという。
このテーマに沿ってNTT グループが目指す世界が「Smart World」だ。
「Smart Worldは、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって、社会的課題を解決し、企業や社会の持続的成長をサポートしていこうという未来の世界観を描いたものだ」(庄司氏)
そして、「Smart World」の実現に向け、NTT Comでは、「Smart Factory」「Smart City」「Smart WorkStyle」「「Smart Healthcare」「Smart Education」「Smart Customer Experience」「Smart Mobility」の7つの領域に注力するという。
同社は、これら「Smart World」の実現に向け、「スマートワークスタイル推進室」「スマートエデュケーション推進室」「スマートシティ推進室」「スマートファクトリー推進室」「スマートヘルスケア推進室」を新設することを発表している。
「Smart World」の実現に向けた取り組みとしては、NTT Comはデータ利活用によるDXの実現を目指している。そのために同社が提供するのが「Smart Data PlatForm」だ。
Smart Data PlatForm(SDPF)は4つのコンセプトに成り立っているという。
4つのコンセプトとは、「ALL in ONE」、「ONE CLICK to SERVICE」「ONE POLICY」「ONE STOP」の4つのONEだ。
「ALL in ONE」は、同社がこれまで提供してきたソリューションに加え、データの収集、蓄積、管理、分析機能などを加え、1つのプラットフォームとして提供するもの。現在17の機能がある。また、このプラットフォーム上で、「Apps on SDPF」として、SaaSサービスを提供する。
SDPFでは、さまざまな拠点を接続する「インターコネクト」、形式の異なるデータを統合してシステム連携を可能にする「データインテグレーション」、AWSとも互換性のある「オブジェクトストレージ」などを提供。
庄司社長は「オブジェクトストレージ」において、これまでの米国、オランダに次ぐ3番目の拠点として、年内に東京リージョンを提供することを明らかにした。
「ONE CLICK to SERVICE」は、簡単な操作ですぐにサービスを使えるようにすること、「ONE POLICY」は、データを一貫したポリシーで管理し、ガバナンスを効かせ、それに基づいて必要なサービスを組み合わせて利用できるようにすること。そして、「ONE STOP」は、データ収集、分析、管理、利用までをワンストップで利用できるようにすることだという。
最後に庄司社長は、新しい同社のスローガンである「Go The Distance(距離を越えていこう)」を紹介し、「この言葉にはいろいろな思いを込めた。物理的な距離はもちろん、言葉、文化、世代、時間を越えてコミュニケーションしていこうという意味とともに、最後までやり抜くという意味もある。創業当時からのチャレンジ精神によって、DX Enablerとしてお客様の持続的な成長につながるSmart Worldの実現に向け、最後までやり抜きたい」と語った。