ジョルダンは9月10日、バス事業者向けに提供している「ジョルダンスタイル バスロケーションシステム」機能を拡張し、2020年春より、乗換案内にバス停到達予想、遅延を考慮したバス乗換検索機能を提供すると発表した。
同社は2002年よりバスデータの収集を開始。現在では、全国で797社・自治体、28331系統のバス路線に対応。その結果、高速バス・リムジンバスのほとんどと、路線バスの90%に対応するという。
2018年8月からは、標準的なバス情報フォーマットであるGTFSおよびGTFS-RT形式でデータで提供する(現在74事業者)「公共交通データHUBシステム」も開始、Googleも利用しているという。
また、2018年より、GPSの位置情報や系統別の経路情報に基づき、バスの運行情報を管理し、遅延や乗り継ぎを考慮した経路検索サービスを提供することができるシステムを箱根登山バスなど一部の事業者に提供している。
来春からはこのシステムにAIを搭載し、収集されたデータを解析することで、バスサービスにリアルタイムに連携する機能を搭載し、到達予想、渋滞予測、遅延を考慮したバス乗換検索等も提供する。
このシステムはジョルダンが独自に開発した専用車載器をバスの車体に取り付けるだけで運用が可能で、ファームウェアの更新やメンテナンス、端末の稼働状況の監視等は、すべてジョルダンが一括で運営、管理する。独自開発のプライベートクラウドシステムで運用され、通信はMVNOとして閉域網でサービスを提供する。料金は、初期費用と月々の利用料(通信料も含む)で構成されるが、料金は未定だという。
また、同時に「ジョルダンスタイル バスロケーションシステム」で収集するバスの運行情報やそれをAIで解析したデータを、ジョルダンが運営する乗換案内サービスに連携する機能を搭載する。これにより、バス接近情報の案内、バス停到達予想、遅延を考慮したバス乗換検索等、利用者のニーズに応じたサービスを乗換案内において新たに提供する。
ジョルダン 戦略企画部 部長 佐藤博志氏は、同社が目指すMaaSについて「地元民の情報をフル活用して便利な観光情報を提供する。移動、観光情報、お土産、ワンクリック決済、すべてがスマホでできる世界をつくる」と語ったほか、ジョルダン 代表取締役社長 佐藤俊和氏は「明日10時の新幹線で京都にいくと、金閣寺には何時につくという世界をめざす。われわれがMaaSのニーズを一番わかっているので、先頭で走って行きたい」と述べた。