シャープは、ソフトバンクと協力し、埼玉県さいたま市のさいたまスーパーアリーナにおけるバスケットボールの国際試合であるドイツ対チュニジア戦の8K高精細映像を、第5世代移動体通信方式(5G)を活用して、東京都江東区にあるソフトバンク5G×IoT Studioのお台場ラボまでマルチアングルでライブ伝送する実験に成功したと発表した。
同実験では、さいたまスーパーアリーナのコートサイドにおいて2台の同社製8Kカムコーダー「8C-B60A」で撮影したマルチアングル映像と、同時に収録した7.1chの音声を、ソフトバンク5G×IoT Studioのお台場ラボまで伝送し、8Kモニター「LV-700」を接続したPCで同期して再生すると共に、22.2ch対応立体音場再生スピーカー(開発品)により、臨場感あふれる音響を再現することに成功したという。なお、主要周波数は28GHz。
また、同実験では配信方式に国際電気通信連合ITUが推奨する「MPEG-DASH」を採用した。 これにより、マルチアングルのライブ伝送で必須となる動画・音声からなるストリーミングデータの同期性を確保すると共に、映像再生に必要な専用機器を介さず、汎用ブラウザを搭載したPCで容易に視聴できることから、より安価な8K伝送ソリューションをユーザーに提供できるとしている。
同ソリューションにより5Gを介して8Kライブ伝送を実現したのは世界で初めてと同社はいい、この実験の成功により、8Kライブ伝送の普及・拡大が期待できるとのこと。
同社はこれまで、多様な配信方式を採用した8Kライブ伝送の実証実験を行ってきた。
同実験の成功により、さらに多様なニーズに合わせた8Kライブ伝送ソリューションの提案が可能になったとしている。
今後もこのような実験の積み重ねを通じて多様なソリューションを開発・提供し、事業ビジョンである「8K+5GとAIoTで世界を変える」(AIoTはAI(人工知能)とIoTを組み合わせた同社の造語)の実現を追求していくという。