A10ネットワークスは8月26日、拠点(支店/支社)でのローカルブレイクアウトを可能とする新しいアプライアンスとクラウドアプリケーションの可視化機能をパッケージ化したサブスクリプションライセンスモデルの提供を開始した。提供形態は、複数拠点を持つ企業が段階的に導入しやすいサブスクリプションモデル(初期費用あり)で、A10の各パートナー企業より提供する。
近年、デジタルトランスフォーメーションや働き方改革の推進により、Office 365などのクラウドアプリケーションが企業のビジネス基盤として浸透しているが、従来の企業ネットワークは拠点も含むインターネットアクセスを本社データセンター(DC)に集約することでセキュリティを確保しているため、トラフィック数の多いクラウドアプリケーションの利用はネットワークを圧迫し、処理能力を低下させ、業務効率を低下させてしまう懸念があるという。
そこで、これらの問題を解決するのが、拠点での特定クラウドアプリケーションのトラフィックのみをDCを通さずにインターネットに直接振り分ける「ローカルブレイクアウト」となっている。
同ライセンスモデルは、新たに提供する拠点でのローカルブレイクアウト用に適した専用アプライアンス「Thunder 840 CPE」と、Office 365をはじめとしたクラウドアプリケーションを可視化する「Cloud Proxy App」で構成されている。
拠点におけるクラウドアプリケーションへの高速アクセスに加え、本社データセンターに設置したA10 Thunderシリーズと組み合わせることにより、本社や各拠点におけるクラウドアプリケーションの利用状況の一元的な可視化とセキュリティの確保を実現するという。
本社DCのA10 Thunderシリーズでクラウドアプリケーションのトラフィックを最適化するだけではなく、各拠点にローカルブレイクアウトに必要な機能と性能に適した専用アプライアンスThunder 840 CPEを設置することで、各拠点から特定のクラウドアプリケーション向けトラフィックをインターネットに直接接続し、拠点のネットワークパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを確保できるという。
また、データ盗難防止のために、許可していないアカウントでのクラウドアプリケーションへのアクセスを制御することも可能なことに加え、Cloud Proxy Appにより、本社DCおよび各拠点のOffice 365のログイン情報や利用状況、ファイルの共有状況なども把握できる。
本社DCおよび各拠点に設置されたA10 Thunderシリーズを通過するトラフィック中の3200種類以上のアプリケーションを識別および可視化し、許可されていないアプリケーションの利用によりセキュリティリスクを高めるシャドーITへの対策を講じられるとしている。