日本マイクロソフトは2月5日、製造業向けのデジタルトランスフォーメーション(DX)支援策や取り組みを説明した。製造業は、同社が2020年に向け注力する分野であるインダストリーイノベーションの対象業種の1つ。同社は、クラウドとAIにより、デジタルトランスフォーメーションを推進するとしている。
ビデオ参加した日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 製造営業統括本部 本部長 赤田将之氏は、製造業を取り巻く状況について、「今後は、ものを売り切るだけでなく、付加価値を付けてサービスや体験を提供するといった『コトづくり』が重要になってくる。そのための変革が求められている。また、グローバル化や、高齢化、人口構造の変化により効率化、合理化も求められている。これらを支えるテクノロジー・インフラサービスを提供する企業としてマイクロソフトがある。これらを実現するにあたり、オープンイノベーションによりエコシステムにコミットし、人を中心としたトランスフォーメーションにも注力していく」語った。
そして、日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 製造営業統括本部 インダストリーマーケティングマネージャー 鈴木靖隆氏は、製造業の『コトづくり』に向け、マイクロソフトは「Factory of the future」「Product as a Service」「Intelligent Supply Chain」の3つのイニシアティブでサポートするとした。
「Factory of the future」では、設計・開発領域で、設計プロセス最適化へのAIの活用や設計時シミュレーションにおけるコンピュータパワーの提供。コネクテッドオペレーション領域では、工程の見える化のための、Hololensを活用したプロセスシミュレーション。さらに、設備保全サービスとして、ゼロダウンタイム実現に向け、AI、IoTを駆使した予兆検知などを提供するという。
「Product as a Service」では、在庫の最適化やメンテナス時期、部品交換時期の最適化サービスなどを提供。
「Intelligent Supply Chain」では、サプライチェーンの可視化やオーケストレーション、需要予測や在庫計最適化などを提供する。
同社が提供する製造業のデジタルトランスフォーメーション支援策としては、知財への取り組みとして、Microsoft Azure IP AdvantageプログラムやShared Innovation Principlesを発表している。
Azure IP Advantageは、Azureを利用している顧客に対して、Azure上で稼働するサービスに対する訴訟からの保護のため、マイクロソフトが保有する10,000件以上の特許を利用可能にするもの。もし、将来的にマイクロソフトが特許をNPE(特許不実施主体)に譲渡する場合でも、Azureの顧客に対しては権利行使しないことを確約させるという。
Shared Innovation Principlesは、協業により新たなテクノロジが作られた時には、マイクロソフトではなく、顧客が共同イノベーションの成果の特許権と意匠権を取得するというもので、共同イノベーションの成果としてソースコードが開発され、顧客がオープンソースとしてのライセンスを希望する場合には、マイクロソフトはそれに協力するという。
また、DX支援としてマイクロソフト デジタルアドバイザリ サービス(DAS)やサプライチェーン可視化ソリューション導入支援サービスを提供。
DASでは、デジタルビジョンやデジタルジャーニーロードマップの策定支援、ごれらを具現するための支援を行う。サプライチェーン可視化ソリューション導入支援サービスでは、サプライチェーンをうまくまわすためのコンサルティングサービスを提供するという。