デイリー処理が要求されるような現場で急に新しいツールを利用しなければならない状況に陥ることがある。部署内には、ツール利用経験者がおらず、他部署に聞くにもツテや時間の制限がある。時間だけが迫るなか試行錯誤し、途方に暮れてしまう。そんな経験はないだろうか?クラウドをはじめツールベースの業務が増えるなか、端的に手順や操作が記されたメモやマニュアルがあるだけでこのような状況から脱出できる。

国内外約2,200社が有償利用するマニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz」を提供するスタディストは、国内大手のメディアレップであるサイバー・コミュニケーションズ(CCI)がバックオフィス系の手続きマニュアルの大半を画像・動画ベースのマニュアルへと切り替え、バックオフィス業務の効率化を図ったことを伝えている。

実際のマニュアルの一部例(スタディスト資料より)

実際のマニュアルの一部例(スタディスト資料より)

「Teachme Biz」は、スマートフォンなどモバイルでの画像や映像の撮影に操作方法のキャプションを加えるだけの工程でわかりやすいマニュアル作成を実現するプラットフォーム。チュートリアルでよく見られるリスト形式の工程に操作方法や手続きの順序を記していくことで"社内のわからない"を無くすことに寄与している。同社は現在、国内外約2,200社での有償利用実績を持つが、約10万人のアルバイトスタッフへのマニュアル提供を行うすかいらーくグループ、1,000名以上の利用規模になる富士薬品など、利用ユーザー数はさらに多くなる。公式サイトには各社の具体的な課題解決の効果などが記されている。

CCIの経理や法務、総務などへの社内問い合わせは多いときには1日あたり約100件。当然その対応には多くの時間が割かれることになる。同社では、すでに多くのマニュアルを用意していたが、格納ルールが不十分であったため探し出すことが難しく、文字ベースの文書であったため解読が困難なケースもあったという。ここに画像や映像を使った可読性の高いマニュアル作成を容易にする「Teachme Biz」を導入した。

スマートフォンなど手軽なツールでササッと作成できる「Teachme Biz」のフォーマット自体が冗長な文書ではなく、閲覧者の自己解決促進を目指せるコンテンツへと早変わる。同社では社内ツールや備品の使い方・借り方、予約の仕方などバックオフィスの手続きは基本的に網羅し、350以上の実践的なマニュアルを社内公開。社内への問い合わせが減少するとともに、中途社員向けの研修も作成されたマニュアルを参照させることで大幅な効率化に成功している。

軽視されがちな個人が持つ暗黙知の共有は、企業経営の大きな幹のひとつにも挙げられるナレッジマネジメントの分野にも関連する重要なプロセスだが、ツールがこれに大きく貢献することを同社の事例は教えてくれている。多くの従業員が欲するマニュアルの共有が、働き方の改革にも大きく貢献することは間違いない。