富士通と技術者コミュニティ「Topcoder」を活用したサービスを国内で展開するTC3は1月15日、Topcoderに登録している世界138万人以上(2018年12月1日時点)のメンバーを対象に従来のコンピュータでは解を得ることが困難な問題を、量子現象に着想を得た組合せ最適化問題を高速に解く富士通の次世代アーキテクチャ「デジタルアニーラ」で解くコンテストを2月~3月まで開催すると発表した。

実社会には、医療、金融、物流、自動車業界など、さまざまな分野に従来は人間が行ってきた複雑な意思決定や、膨大な学習用入力データに基づいた最適な解の選択など、現在のコンピューティング技術では実用的な時間で解くことができない問題が膨大に存在しているという。

このような問題に対して、富士通研究所は組合せ最適化問題を高速に解くデジタルアニーラを開発し、2018年5月に富士通よりサービス提供を開始。しかし、組合せ最適化問題を解決するには業務や社会課題を組合せ最適化問題として定義し、数式モデルを構築する高度なスキルが求められている。

Topcoderは情報技術、コンサルティング、ビジネスプロセスサービスを手がけるウィプロ・リミテッドにより運営されるアルゴリズムやソフトウェア開発、UI/UXデザイン分野の最新技術に強いスキルと関心を持つ技術者コミュニティであり、特にアルゴリズム開発や改善においては高いレベルのスキルを持つ技術者が多数在籍しているという。

世界の大手企業や国家機関の多くがTopcoderを活用し、最新テクノロジーの浸透普及・開発者育成を実施するとともに、高度な問題解決におけるパートナーとして連携しており、国内においてはTC3がTopcoderのコンテストを活用した最新スキルのソーシングサービスを提供している。

今回のコンテストでは、Topcoderのメンバーがデジタルアニーラの利用方法をハンズオン形式で学ぶラーニングコンテストに参加した上で、デジタルアニーラを用いて特定の問題を解決し、その計算速度と解の良さなどを競い、コンテストはTopcoderメンバーとして登録することにで、世界中のどこからでも参加可能。

2月1日~3月初旬(約10日間×3回)までラーニングコンテスト、3月中旬~3月下旬(約2週間)までは競技コンテストを実施し、最適化問題をデジタルアニーラで解くにあたり、一度の計算では解を出せない大規模問題を速くかつ正確に計算可能とする最適な分割方法を競う。

今回、両社はデジタルアニーラの普及促進を目指すとともに、難易度の高い問題などにおけるTopcoderとの連携効果を検証する。