国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、KDDI、東京都小金井市立前原小学校の3者は1月10日、小学校の授業で次世代移動通信システムである5Gを活用した動画再生とファイルダウンロードを体験する学習を国内で初めて実施したと発表した。
実証試験は2018年11月21日から12月12日まで、前原小学校で実施。5Gの利用で、既存のモバイル通信では実現が困難だった大容量コンテンツの伝送が可能になるという。これにより、高精細な映像を活用する学習が可能となり、学校における授業の活性化への寄与が期待されている。
実証試験では、前原小学校の体育館に28GHz帯の実験システムを用いたエリアを構築。児童は5G対応のタブレットとWi-Fi対応のタブレットを用いて、それぞれの端末で同時に動画再生とファイルダウンロードを行い、5Gの特徴の1つである超高速・大容量を体験する授業を行った。授業の中では、5Gが普及した後の社会について考え、多様な意見が出たという。
各社の役割としては、ATRは総務省の技術試験事務における5G総合実証試験の請負を、KDDIは5Gのエリア設計・評価、生徒が使用するコンテンツ作成と授業アプリケーションの開発・評価を、前原小学校は実証実験場所の提供、教諭・生徒による授業の評価をそれぞれ担当した。
なお、実証試験はサムスン電子が提供する「5G エンドツーエンドソリューション」を使用し、総務省の技術試験事務における5G総合実証試験として実施した。