日本IBMは12月25日、中小企業・小規模事業者の財務や会計データを金融機関にデジタル・データとして提供できるようにするデータ・プラットフォーム「会計データ・オン・クラウドプラットフォーム」について、金融機関、会計ソフトメーカー、企業財務システムベンダーなど52社と検討を開始すると発表した。

これにより、クラウドおよびAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を活用し、金融機関内での財務データの取り扱いに関する事務効率化の実現、融資審査の迅速化・高度化を目指す。

現在、中小企業・小規模事業者や、その顧問税理士から金融機関へ決算書を提示する場合には会計ソフトを利用して作成した決算書を印刷し、提供している。一方、金融機関ではシステムに登録するために紙の決算書をスキャニングし、その後は事務センターにて登録するなど多大なる作業が発生している。

また、紙の決算書を提出するための移動時間も必要となり、審査の早期化を難しくしていることから、事務効率化、融資審査の迅速化や高度化とともに営業担当者の働き方改革を支援する仕組みが求められているという。

同社は、各社とクラウドおよびAPIを活用した会計データ・オン・クラウドの実用化に向けて、業務の流れ、システム要件、APIの有効性などを検討する。

クラウドやAPIを活用するため、早期にサービスを開始できることに加え、データ連携の仕組みを柔軟かつ容易に構築することを目指す。プラットフォームは2020年からのサービス開始を目標に検討を進めていく考えだ。

なお、検討を開始する企業として社名を公表している企業は、金融機関(五十音順)が愛知銀行、秋田銀行、阿波銀行、大垣共立銀行、鹿児島銀行、群馬銀行、埼玉りそな銀行、静岡銀行、十六銀行、常陽銀行、筑邦銀行、千葉興業銀行、T&Iイノベーションセンター、南部銀行、八十二銀行、肥後銀行、百五銀行、百十四銀行、広島銀行、福井銀行、ふくおかフィナンシャルグループ、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、武蔵野銀行、山口フィナンシャルグループ、山梨中央銀行、りそな銀行、他7行。

会計ソフトメーカー(五十音順)は、ICSパートナーズ、アカウンティング・サース・ジャパン、応研、OSK、オービックビジネスコンサルタント、スマイルワークス、セイコーエプソン、ソリマチ、日本ICS、ピー・シー・エー、freee、マネーフォワード、ミロク情報サービス。

企業財務システムベンダー(五十音順)は、TIS、三井情報、協業ソリューションパートナー(同)は電通国際情報サービス、YKプランニング、協業ビジネスパートナーはスマイルワークスとなる。