日本電信電話(以下、NTT)、NTTデータ、消防庁 消防大学校 消防研究センター(以下、消防研究センター)は、救急車の現場到着時間や病院収容時間の時間短縮を目的に、救急ビッグデータを活用した救急車の最適運用システムの開発に関し、シミュレーションを通してその有効性を確認したことを発表した。
防研究センター、NTT、NTTデータは、2018年2月から約3年間で救急ビッグデータを用いた救急自動車最適運用システムの共同研究を実施している。
近年、救急車の現場到着時間・病院収容時間が延伸していることを踏まえ、これらの時間短縮を目的に、救急搬送情報、およびG空間情報やモバイル空間統計等のビッグデータと、消防研究センターおよび消防機関における運用ノウハウ、NTTグループのビッグデータ分析・学習・価値化技術を活用した救急車の最適運用システムの開発をめざして研究を進め、今回シミュレーションを通してその有効性を確認したという。
共同研究では、救急隊の基本的な業務フローにおいて、現場到着までの時間と搬送先決定に関する時間を短縮する技術と、医療機関搬送時の安全性確保の技術に関する研究開発を、「救急隊最適配置」、「搬送先医療機関のリアルタイムな受入可能性を予測」、「安全搬送に適したルート提示」という3つのテーマで行い、実装の可能性を検証するという。実証実験は今冬以降に予定されている。
各社の役割は、消防研究センターが研究統括と消防現場への実用化方法の検討、実証実験消防機関とのコーディネイト、救急活動関連データの取得、基礎研究成果の提供。NTTが救急自動車の最適運用システムに関する技術確立と、プロトタイプの構築、検証、NTTデータが救急自動車の最適運用システムのプロトタイプ構築支援と検証支援救急医療情報システムのノウハウ提供を担う。
今後は、各テーマでの予測精度をさらに高めるとともに、フィールド実証を想定した運用システムとしての構築を進めるという。12月より予定している実証実験にて同システムの適用を目指すとしている。