静岡県磐田市、SBS情報システム、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は11月19日、新型ビーコンを用いたソーシャル見守りシステム「C-Shuttle」による子どもや高齢者の見守りに関する実証実験を2018年11月中旬から開始すると発表した。

現在、見守りシステムにおいて利用されているビーコン端末は、信号の到達距離が短い(約30m)ものと長いもの(約300m)があり、前者は捜索対象の域内に多数のセンサーを設置することができる場合、後者は消費電力が大きく精度が低くても問題ない場合に利用されている。

これに対し、NTT Comが開発した新型ビーコンは到達距離が最大300mから30mまでの複数の信号を送信できる。これにより、長距離の信号を使うことで、センサーが少ない場合でもおおまかな場所を割り出すことができるため、割り出したエリアを短距離の信号を使って集中的に捜索するといった効率的な使い方が可能だという。

実証実験では、子どもや高齢者が携帯するビーコンから送信された信号を、付近にあるセンサーがキャッチし、センサーの位置情報と、受信した信号の種別を「C-Shuttle」サーバに送信する。

センサーは、磐田市の交流センター(23カ所)のほか、磐田市内の「セブン‐イレブン」(28店舗)に設置。市内を移動する一部の車にも搭載する。

ビーコンの位置情報は、専用スマホアプリの地図上に表示する。センサーとの距離が近い場合(約30m以内)に高精度で位置を表示できるうえ、センサーとの距離が遠い場合(約300m以内)でも大まかな範囲であれば表示が可能。これらの情報を時系列で表示して、足取りを確認することもできる。

なお、事件や事故が発生した場合を想定し、一時的にセンサー数を増加させることで、早期かつ高精度に位置を特定する。センサー数の増加は、磐田市の市民(子どもの保護者や高齢者の家族)や磐田市に本社を構えるヤマハ発動機の社員有志などの実証実験参加者に、スマホアプリの起動によって行う。

  • 「C-Shuttle」のイメージ