日本電気(NEC)は11月7日、財務省税関から空港の税関検査場で利用される電子申告ゲートを受注したことを発表した。

  • 電子申告ゲートの利用イメージ

    電子申告ゲートの利用イメージ

  • 東京国際フォーラムの「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2018」に展示されていた電子申告ゲート

財務省税関は2019年4月以降、成田空港の第3ターミナルにおいて、電子申告ゲートを用いた実証実験を開始する。

今回の電子申告ゲートは、入国者による携帯品・別送品申告書の作成の簡易化やスピーディな申告・通関手続きを目的として、入国審査後の税関検査に利用される。

具体的には、NECの顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用し、税関検査場に設置された電子申告端末で撮影した顔画像と、出口ゲートに設置された顔認証カメラで撮影した顔を照合して本人確認を行う。

出口ゲートに近づく人の顔を連続撮影しているため、カメラの位置を意識することなく歩きながらの認証が可能なウォークスルー顔認証を実現し、スムーズな本人確認で税関検査場の混雑緩和や待ち時間短縮が見込まれる。

また、スマートフォン向けの税関申告アプリを用いて、携帯品の内容などを入力しQRコードを取得。その後、税関検査場に設置された電子申告端末でパスポートと、アプリに表示されたQRコードを読み取ることで、簡単に携帯品の申告手続きができるという。

  • 税関申告アプリ

  • 申告内容をQRコードに変換

  • キオスク端末に読み込ませる

さらに、電子申告端末の操作中に内蔵カメラで本人を撮影し、パスポートのICチップに搭載した顔画像と照合して本人確認も行う。

これらにより、税関検査場の混雑緩和と旅客の待ち時間短縮を図るという。また、電子申告ゲートで撮影した顔画像は、本人確認のための照合にのみ用いられ、ゲート通過後に削除されるという。

なお、NECによれば、空港の税関検査に顔認証技術を活用するのは国内初とのことだ。