日立製作所は10月30日、全国の消防局・消防本部向けにスマートデバイスを活用した「消防救急映像共有サービス」の販売を開始した。

同サービスは消防隊員がスマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスで撮影した映像を専用アプリにより、消防指令センターに設置した管理端末およびそのほかの消防隊員のスマートデバイスに送信し、リアルタイムに共有できるクラウドサービス。

また、アプリを用いたグループ映像通話も可能となるため、映像や音声での効率的な情報共有により、隊員の迅速な対応や災害発生時の適切な初動に寄与するという。

さらに、専用の映像伝送装置を不要としており、スマートデバイスを用いたリアルタイムな映像共有やグループ映像通話(同時に最大5端末まで可能)を実現する機能をクラウドサービスとして提供し、一般的なインターネット回線および市販のスマートフォンやタブレット端末(同社で動作確認ずみの機種が対象)で利用できるため、短期間かつ低コストで導入することを可能としている。

同サービスを火災現場で活用することで、指揮隊長は死角も含めた各地点の状況を隊員から送信される映像でリアルタイムに確認できるようになり、迅速で正確な対応ができることに加え、グループ映像通話機能を用いることで、判断結果を一斉に各隊員へ伝えることも可能としている。

  • 火災現場での活用イメージ

    火災現場での活用イメージ

また、災害発生時に消防指令センターへ集約される防災用ドローンや高所監視カメラ、都道府県が運用するヘリコプターテレビシステムなどの映像に活用することで、現場へ向かう隊員や自治体などから構成される災害対策本部へリアルタイムに送信し、適切な初動に活かすことができるという。

  • 災害発生時の活用イメージ

    災害発生時の活用イメージ

そのほか、専用アプリをインストールしたスマートデバイスを地域の病院に設置することで、救急車で搬送中の傷病者の映像やバイタルデータを病院側で同時に確認し、受け入れ準備の効率化を支援するとしている。

  • 救急車での搬送時の活用イメージ

    救急車での搬送時の活用イメージ