幕張メッセで開催されている日本最大級のIT展示会「2018 Japan IT Week 秋」(10月24日から27日の3日間)。クラウドコンピューティングやモバイル活用、情報セキュリティといった10の専門展をひとつの会場内で見ることができる貴重な機会とあって、会期中は連日大勢のビジネスパーソンで賑わいを見せていた。本稿では、AI技術を利活用した業務自動化に特化した専門展「AI・業務自動化展【秋】」より、「ココロ通う、ココロつながる。」というキャッチコピーとともに機器やサービスが人に寄り添そう世界を目指すシャープの“AIoT”に関連した展示をピックアップしてお届けしていこう。
シャープブースで筆者の琴線を刺激したのは、2017年に広島東洋カープファン向けに販売開始され、現在では11球団のファンに向けて展開されているウェアラブル端末「funband(ファンバンド)」を、ビジネスツールとしての利活用を提案する展示だ。腕時計に似た形状の「funband」は、液晶画面で簡単な情報を表示できるほか、内蔵されたバイブレーターの振動で「funband」に意識を向けさせる、LEDの光によって情報を伝えることができるデバイスとなっている。一見、一方的な情報配信のように思われがちだが、デバイスに内蔵された加速度センサ等により「腕を振る」等の動きで意思を伝えられるほか、スマホから「承知しました」等のメッセージを送ることもでき、双方向でのコミュニケーションを実現している。
文字や光、振動で情報を伝える。これらの特徴を活かし、情報伝達ツールとしての利活用例として挙げられていたのが、ホテルスタッフに向けた提案だ。ゲストのチェックインを知らせる、ゲストからの呼び出しを一斉に通知して迅速な対応を行う、といったことが、スマートフォンを懐から取り出さなくても、時計を見るように自然な動きで行うことが可能になる。その他の提案も非常にユニークで、テーマパーク向けのものではゲストにデバイスを貸し出し、例えば、アトラクションの空き状況を伝える、「もうすぐパレードが始まるよ!」などのイベント告知を行うなど、ゲストが心地よくテーマパークを楽しめるようおもてなしすることも。
シャープブースでは、その他にも音声対話サイネージやAIによる自動応答機能を備えたコールセンターソリューション、“AIoT”の要となるAIoTモジュールやそのクラウドプラットフォームなどが展示され、多くの来場者の興味を集めていた。