川崎重工業(川重)は10月17日から開催中の「World Robot Summit 2018(WRS 2018)」の展示会場において、新型の等身大ヒューマノイドロボット「Kaleido」を公開している。昨年の国際ロボット展で公開されたものはバージョン4だったが、今回は最新のバージョン5を出展。軸構成を見直し、軽量化・スリム化を図っている。

  • 右が新型

    右が新型のバージョン5、左は旧型のバージョン2だ

  • 新型のボディ

    新型のボディには「Kaleido」の文字が記されている

Kaleidoは筋骨格タイプのロボット。通常、ロボットの関節で使われるのは回転型のモーターだが、筋骨格では直動型のモーターを使う。中央に丈夫な骨格があり、筋肉の役割を果たす直動型モーターで動かす筋骨格ロボットは、より人間に近い構造であると言える。同社は、これで転んでも壊れないロバスト性の実現を目指している。

新型のバージョン5では、2軸削減するなどして、10kgほどの軽量化を実現。さらに、従来はコントローラが外付けだったが、新型では内蔵しているという。まだ電力は外部から供給する必要があるものの、いずれはバッテリも内蔵し、スタンドアローン化したいということだった。

  • スリム化したボディ

    ボディはよりスリムになった

ちなみにこのヒューマノイドは昨年の公開時、「RHP(Robust Humanoid Platform)」という名称だったが、愛称を募集した結果、「Kaleido」という名前に決まったそうだ。この名前は万華鏡(kaleidoscope)に由来しており、「用途にあわせて姿を変え、無限の可能性を持つ」ことを表しているとのこと。

  • プロテクタの違い

    プロテクタの違いも。左(旧型)は金属製、右(新型)は樹脂製だ

  • プロテクタは3Dプリンタ製

    3Dプリンタ製なので、複雑でも最適な形に作ることができる

残念ながら新型による動作デモは無かったのだが、会場では昨年のバージョン4がダンスを披露。ハードウェアは基本的に変わっていないそうだが、かなりブラッシュアップされたようで、より素早く、安定した動きを実現していた。

  • バージョン4

    バージョン4は、身長が174cm、重量が83kg。32個のモーターを搭載

  • ダンスデモ

    ダンスデモでは、こんな片足立ちのポーズも披露していた

バージョン4によるダンスデモ。このサイズで踊ると迫力がある。なお、著作権のため音声は無しとなっている

そのほか同社のブースでは、双腕タイプの産業用ロボット「duAro」の最新モデル「duAro2」も出展されていた。コンパクトで導入しやすい特徴は引き継ぎつつ、ユーザーからの要望を取り入れ、上下方向の可動域を150mmから550mmへと大幅に拡張したほか、可搬重量を2kgから3kgへと強化したとのこと。

  • duAro2

    左が従来の「duAro1」、右が新型の「duAro2」だ