NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は9月11日、大阪府に6番目と7番目となる「大阪第6データセンター」と「大阪第7データセンター」を新たに提供し、大阪のデータセンター(DC)供給能力を2.2倍に拡大すると発表した。

  • 大阪第6データセンターの外観イメージ

    大阪第6データセンターの外観イメージ

  • 大阪第7データセンターの外観イメージ

    大阪第7データセンターの外観イメージ

大阪第6は、大阪市内の中心地で、最寄りの地下鉄駅から徒歩約2分、複数駅からのアクセスも容易な利便性の高いエリアにおいて、西日本電信電話(NTT西日本)が建設するビル内でサービスを提供。また、大阪第7は、大阪都市部からのアクセスが良好で、より水害や地震などの災害リスクが低いという茨木市内に建設する。

両DCはISPやDC事業者のネットワークの相互接続点であるIX(インターネット・エクスチェンジ)がある大阪市内の堂島エリアにダイレクトに接続できる環境にあり、大手クラウドサービス事業者をはじめ、ハイパースケール事業者やエンタープライズなど、幅広いユーザー企業を対象としたサービスの提供を可能としている。

各DCの主な特徴として同社は、ネットワーク環境、耐災害性、設備対応の3点を挙げている。ネットワーク環境に関しては、両DCは同社のDCサービスブランドである「Nexcenter」が定める、グローバルで統一化した厳格な設備・運用基準に準拠。

電力・空調・通信設備の冗長化や充実したセキュリティに加え、同社のネットワークインフラ基盤に直結することで、大容量かつ品質・信頼性が高いネットワークサービスを低コストでタイムリーに利用できるという。

また、大阪市内における同社の既存データセンターと共に大容量・高速ネットワークリングである「Nexcenter Connect Metro」で接続することにより、IXやISP、マルチクラウドへの接続性を高めることを可能としている。

耐災害性については、両DCーは阪神淡路大震災や東日本大震災に加えて今後想定される南海トラフ地震クラスの巨大地震に対応した建物免震構造を採用することで、地震による建物やユーザー機器への衝撃を抑えた安全な運用継続ができるという。

大阪第6では、電力・通信設備、サーバルーム、そのほかの重要設備は全て建物2階以上に設置するため、万一洪水が発生して建物1階部分に浸水しても支障なく継続運用できる。電力は異なる変電所から異ルートで供給を受けるため、高い信頼性を実現するとしている。さらに、通信ケーブルは大型の通信用耐震トンネルである「とう道」を通して建物に引き込むため、地震や道路掘削などにより損傷する心配がないとのこと。

大阪第7は、大雨や近隣河川の氾濫時でも浸水が極めて少ないエリアに立地するといい、水害のリスクが低く、また電力は近隣の変電所から直接2ルートで引き込むため、災害時でも安定した供給が望めるとしている。設備対応に関しては、ユーザー企業が要望する仕様に対して建物やフロア単位で柔軟にカスタマイズ対応ができるキャンパス型のDCで、サービス提供の工期短縮やコスト低減を実現するという。

サーバルーム内の空調は冷却効率が高い壁面吹き出し方式を採用し、GPUサーバなど20kW以上電力消費する超高発熱サーバにも対応するという。また、交流/直流間の変換段数を減らすことにより、信頼性を高めると共に、電力損失を抑えて約20%の消費電力削減を実現するHVDC(高電圧直流給電)システムなど、最新技術の導入を予定している。