シスコシステムズは9月5日、デジタルスクールネットワーク(Digital Schools Network)プログラムを日本国内で立ち上げ、第1回目の取り組みとして全国5つの高等学校をつなぎ、遠隔授業を開催すると発表した。
デジタルスクールネットワークは、教育者と学習者を安全なネットワークとコラボレーション空間でつなぎ、遠隔授業、学生間交流、また教員同士のコミュニティなどの提供を可能にするデジタルラーニングプラットフォーム。
アジア太平洋地域で誕生した同プログラムは現在、オーストラリア、シンガポール、インドなどから24校が参加しており、今後さらに拡大を予定している。
参加メリットとしては、「国内外における文化的・教育的機会の提供」「学習コンテンツへのアクセス」「最先端テクノロジーへのアクセス」「教育者(プログラム参加校)間でのベストプラクティスの共有」の4点を挙げている。
文化的・教育的機会の提供に関して、同プログラムに参加する多様な国の学校と文化的、教育的交流の機会が生まれるという。
学習コンテンツへのアクセスについては、国内外の企業や専門家、プログラムパートナーが提供するコンテンツへのアクセス、共同授業などを体験を可能としている。例として同社は、プログラムパートナーとして参画しているオーストラリアのCurtin UniversityやFlinders Universityが提供するデジタル教育、カリキュラムへのアクセスなどを挙げている。
最先端テクノロジーへのアクセスに関しては、同社はデジタル コラボレーションやネットワーク市場におけるリーダーとしてプログラム参加校が将来にわたり、最先端のテクノロジーを利用できるように支援する。
ベストプラクティスの共有については、コミュニティを通じて教育現場でのICT利用や効果的なデジタルツール利用など、多様な課題やベストプラクティスシェアリングを参加校の教育者同士で共有できるという。
日本国内における同プログラムの第1回目の取り組みとして、9月5日に全国5つの高等学校をつなぎ、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授を講師に迎え「地域で活躍する人材になるために必要なこと」をテーマに遠隔授業を開催。
参加校は、北海道・岩見沢市立緑陵高等学校、広島県立大崎海星高校、宮崎県立飯野高等学校、沖縄県久米島学習センター、高知県特定非営利活動法人のSOMA。生徒は「Cisco Webex Board」からビデオ会議で参加し、「地域を支える人材としてどのような発想やスキルが必要になってくるのか」などの、インタラクティブで臨場感ある授業を体験するという。
今後、国内で参加校を拡大し、参加校のニーズに合わせたマッチング授業、交流の機会、イベントなどの開催(海外のデジタルスクールネットワーク参加校との交流、専門家による授業、山間へき地の学生を対象とした受験対策講座や進路支援、シスコのサイバーセキュリティプログラムへの参加など)を検討している。なお、同プログラムは高校に加えて小学校や中学校にも順次展開を予定している。