昨今の社会情勢から見ても教育現場におけるICT活用の推進は避けることのできない、早急の課題と言えるだろう。しかしその一方で、実際の運用には大きな障壁が存在するのもまた事実である。

2016年7月15日 東京にて開催されるセミナー「デジタル教育現場に差別化を見出せ! 教育機関におけるICTとの向き合い方」では、タブレットなどを用いた授業を実践している学習塾や学校の担当者が登壇し、実体験に基づいた課題と解決策が紹介される予定となっている。

本記事では、同セミナーの協賛社であり、教育現場へのICT導入をグローバルで支援するシスコシステムズのAPJ セールスディレクターであるオースティン・ニコル氏と同社 Meraki 担当テリトリーアカウントマネージャーの泉田祐樹氏に「世界の教育現場におけるICT活用の今と未来」について解説いただいた。

「学生ひとりに1台のタブレット」が当たり前の時代に

シスコシステムズ APJ セールスディレクター オースティン・ニコル氏

「教育現場におけるICT活用は、世界的に見てもここ数年で急速に進んでいます。たとえば米国では、政府やさまざまな団体などが補助金を出し、多くの学校が学生ひとりにつき1台のタブレットを導入しています。今、学んでいる学生たちが社会に出る頃には、当たり前のようにタブレットを利用する時代になっていることでしょう。そのような将来に向けて、スマートデバイスにフレンドリーな人材を育成することは、教育現場における世界的なトレンドとなっています」(ニコル氏)

なお、シスコでは「Cisco Meraki」というクラウド管理によるWi-Fi接続ソリューションを提供している。ニコル氏によると、2015年は売上の25%が教育機関向けとなっており、特に大きなウェイトを占めているとのことだ。

「米国などと比較すると、日本の教育現場におけるICT活用は、若干遅れ気味であるかもしれません。ですが過去の例を見ても、日本はスタートしてからの広がりは早いため、近い将来には自宅でも学校でも、そして通学路でもWi-Fiにつながることが当たり前になっていることでしょう。そのような時代に備えて、今のうちから準備を進めておくべきです」(ニコル氏)

教育現場へのICT活用に立ちはだかる壁

タブレットなどの導入は教育現場に数多くのメリットをもたらす。だがその一方で、導入と運用にはいくつかの課題が存在する。たとえば、ニコル氏の親戚の子どもが通う学校では、あまりにも授業と無関係なサイトや動画の閲覧が多かったため保護者の間で問題となり、端末からのアクセス制限を余儀なくされたとのことだ。

ほかにも、不適切なSNSへの投稿、不用意なメール開封によるウイルス感染、有害なアプリの利用など、保護者や教育現場の人々が不安視するポイントは数多く存在する。そしてこれらの内容は、国が違っても大差はない。そして何より大きな課題は、これらに対処する人的リソースが圧倒的に不足している点である。

ちなみに、文部科学省が進める「教育のIT化に向けた環境整備4か年計画」では、「教育用コンピュータ1台あたりの児童生徒数3.6人」、「超高速インターネット接続率及び無線LAN整備率100%」などを目標としている。これを生徒数1,000人の学校で実現すると、約280台の端末を無線LAN接続できる環境が必要となる。

大手と呼ばれる企業であっても、これだけの環境を整え運用するのは至難の業。専門の情報システム部門を持つケースが少ない教育現場にとっては、かなり高いハードルと言わざるを得ない。

教育現場で「安全・安心」に利用できるソリューションとは

ICTの活用に大きな障壁となる人的リソースの不足。だが、教育の現場である以上、「安全と安心」をおざなりにすることはできない。だからこそ、なおさら「どのようなソリューションを用いるか」が重要となる。7月15日に開催されるセミナーでは、導入事例に基づいた「具体的なヒント」が紹介されるはずだ。

基調講演は、他塾に先駆けてiPadを授業に導入した進学塾「俊英館」のマーケティング部 小池幸司氏による「タブレット導入で失敗しないための“3つのステップ”」。さらに導入事例の講演として、アクティブ・ラーニング型授業の補助ツールとしてiPadを導入した学校法人玉川聖学院の教員、大沼祐太氏と山田直樹氏による「タブレット活用の最適な環境作りに向けて~更なるアクティブ・ラーニング活用のために~」が行われる。

さらに、協賛社であるNTT東日本によるサポート付き簡単Wi-Fiサービス「ギガらくWi-Fi」の概要と活用事例の紹介が予定されている。

シスコシステムズ Meraki 担当テリトリーアカウントマネージャー泉田祐樹氏

「玉川聖学院さまは、私たちのソリューションであるCisco Merakiを用いた導入事例となっています。具体的な活用方法も含めて、かなり深い部分まで講演いただく予定なので、ICT活用のみならず、授業運営の観点からも貴重なお話になることでしょう。また当日はCisco Merakiのダッシュボード画面にて、国外の教育現場における実態を、リアルタイムでご覧いただく予定です。当日は登壇する皆様も含め、あらゆる教育機関に関わるご担当者様がお見えになるかと思いますので、情報交換の場としてもご活用いただけたら幸いです。是非とも多くの皆様にご来場いただければと願っております」(泉田氏)

セミナーの詳細は以下の通り。

  • タイトル:デジタル教育現場に差別化を見出せ! 教育機関におけるICTとの向き合い方
  • 開催日時:2016年7月15日(金) 15:00~17:30 (14:30受付開始)
  • 会場:新宿エルタワー 19F マイナビルーム1
  • 住所:〒163-1526 東京都新宿区西新宿一丁目6番1号
  • 参加費:無料(事前登録制)
  • 定員:70名

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(マイナビニュース広告企画:提供 シスコシステムズ)

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