日本マイクロソフトは8月23日、2020年1月14日のWindows Server 2008および2008 R2のサポート終了(EOS:End of Support)に向け、「 サポート切れに備えよう! Windows Server 2008 / SQL Server 2008 / Windows 7 EOS 対策セミナー」と題したセミナーを東京で開催した。ここでは、Windows Server 2008のEOSについて取りあげる。
サポート終了になっても、そのOSは使い続けることはできるが、新たな脆弱性が発見されても、セキュリティ更新プログラムは提供されないため、セキュリティリスクが増大する。また、日本マイクロソフト クラウド&ソリューション事業本部 三浦俊平太氏は、今年の5月から施行された「EU一般データ保護規則(GDPR)」においても、脆弱性への対応が求められているため、コンプライアンス維持の観点からEOS対応は重要だと説明した。
また同氏は、「EOSは手間がかかるため、ネガティブに捉える傾向もあるが、収益をアップさせるためのシステムを構築する転機と考えてほしい」とメッセージを送った。
移行の4つのステップ
EOS対応のステップには、利用しているソフトウェアの用途を確認する「棚卸」、アプリケーションと利用用途を分類する「精査」、オンプレミスか、クラウドかなど、移行先を決定する「ターゲット」、実際の移行作業を行う「移行」の4つががあるという。三浦氏は、これは、Windows Server 2003のときと変わらないと説明する。
移行作業においては、アップグレード後に現在利用しているアプリケーションがきちんと動作するのかという点がポイントになるため、「棚卸」と「精査」が重要で、この部分がもっとも時間がかかる作業となる。
三浦氏は、棚卸ではタイプ別、重要度別、難易度とリスク別に分類するとした。
タイプ別では、アプリがマイクロソフトのサーバ製品であるのか、自社開発なのか、あるいはパッケージなのかなどを分類し、タイプごとに、新OSでの動作を開発元や提供元に確認するのがもっとも簡単な方法。同氏はその際、対応の期間や費用についても問い合わせすると良いとした。
重要度別では、そのアプリが業務上どれほど重要なのかを分類。もし、現在は利用していないのであれば、退役を検討する。
ただ、これらの調査において、実際に利用しているのかどうかをシステム部門では判断できないものも出てくるため、ユーザーにアンケート調査を行うなどして、判断する必要があるとした。そして、利用しているのであれば、その改修にどれくらいの期間がかかるのか、ある程度、目安をつけておくのが重要だとした。