クラウディアンは8月30日、米国本社が第三者割当増資を実施し、9400万ドル(約104億円、1ドル110円換算)の資金を調達したと発表した。これにより、同社の調達総額は1億7300万ドル(約190億円)となった。

シリーズEとなる同ラウンドには、新たにJPインベストメント、NTTドコモ・ベンチャーズ、DGインキュベーション、WMパートナーズ、米Digital Alpha、WS Investmentsが、既存投資家である産業革新機構、Eight Roads Ventures Japan、Goldman Sachsなどとともに参加している。

調達資金は、4k/8kなどの高精細映像、IoT、AIなどが生成するビッグデータの保存と管理に最適な同社のオブジェクトストレージ製品「CLOUDIAN HYPERSTORE(ハイパーストア)」のグローバル市場における販売・マーケティングの拡大と、製品開発・保守体制の強化に活用する。

HYPERSTOREは、日本では特に大手クラウド事業者、日本各地のデータセンター、大手製造業などが利用している。欧米では、テレビ放送局、オンライン旅行会社、グローバル自動車メーカー、F1チーム、大手製薬会社、エンジニアリング会社、国立研究所、公衆衛生機関、銀行、アイビーリーグ大学など、データを大量に生成・消費するビジネスにおける採用が続いている。

最近ではHYPERSTOREに加え、IoTが収集する画像、映像、センサログなどのデータを現場(エッジ)でリアルタイムにAI処理できるエッジAI実行用の小型装置「CLOUDIAN AI BOX」を独自開発し、日本市場から先行的に提供開始している。AI BOXで集める現場の最新データをHYPERSTOREに保存し、AIの再学習に使うことで認識精度を持続的に高めるAI再学習サイクルを実現できるという。

なお、シリーズEラウンド調達資金の9400万ドルには、今年2月に発表されたDigital Alphaからの2500万ドルの投資が含まれている。