シャープは7月31日、都内で2018年度第1四半期決算会見を開催し、業績は中期経営計画の達成に向けて、引き続き順調に推移しているという。
同社のセグメントは、通信やIoT家電、白物家電などの「スマートホーム」、ビジネスソリューションの「スマートビジネスソリューション」、カメラモジュールや電子デバイスをはじめとした「IoTエレクトロデバイス」、TVといった「ディスプレイデバイス」の4つに分かれている。
2018年度第1半期の業績は売上高が前年同期比5.4%の5338億円、営業利益が同45.0%増の248億円、経常利益が同23.9%増の212億円となった。
また、セグメント別の業績はスマートホームの売上高が前年同期比15.6%増の1505億円、営業利益が同19.9%増の118億円、スマートビジネスソリューションの売上高は同8.9%増の786億円、営業利益が同20.7%増の36億円、IoTエレクトロニクスデバイスの売上高が同33.6%増の1112億円、営業利益が同43.5%減の9億円、アドバンスディスプレイシステムの売上高が同15.4%減の2111億円、営業利益が同55.6%増の105億円となった。
売上高は2016年度第4四半期以降、6四半期連続で前年同期を上回ったほか、営業利益は前年同期の1.5倍に迫る大幅な増益となり、自己資本比率は2011年度末以来、6年3カ月ぶりに20%を上回った。
同社では順調な業績を踏まえ、従来から取り組んでいるAIoT(シャープの提唱する「モノのAI」技術)と8Kに注力していく方針を示している。AIoTでは、AIoT対応の液晶テレビやキッチン家電、空調機器向けに各種「COCORO+」サービスを展開している。8Kについては、昨年12月にAQUOS 8Kを発表したほか、業務用8Kカムコーダーを発売している。
シャープ 代表取締役 兼 副社長執行役員の野村勝明氏は「現在、『人に寄り添うIoT』をテーマにスマートホーム事業において9カテゴリ104機種の製品を提供しており、今後も幅広くラインアップを拡充するとともに、新たにAIoTクラウドサービス『COCORO MUSIC』『COCORO GAME』『COCORO VIDEO』『COCORO PET』『ヘルシオデリ』などを順次立ち上げている」と、述べた。
そして、「これらを通じて構築したAIotプラットフォームを他社に提供し、新たなビジネスの創出にも取り組んでいるほか、AIoT化によるアフターサービスも効率化する。また、スマートビジネスソリューションではスマートオフィスやスマートサイネージ、スマートリテール、スマートファクトリーなど、AIoTを活用したビジネスの変革を進めている」と強調していた。
一方、8Kについては応用製品を拡充し、展開地域を拡大していくという。8Kに5GやAIの技術を組み合わせ、放送分野のみならず、医療、セキュリティ、工業、教育、美術、インフラ保全、遠隔制御、観光など幅広い分野での事業展開を進めていく。各分野においてパートナーと連携することで、8K技術を活用したソリューションを展開し、8Kエコシステムの加速を加速していく方針だ。