アマゾン ウェブ サービス ジャパンは7月26日、米国ニューヨークで開催された技術者・開発者向けのカンファレンス「AWS Summit New York」で発表された最新の機能に関する説明会を開催した。説明は、技術本部エンタープライズソリューション部 部長の瀧澤与一氏が行った。
瀧澤氏は、「AWS Summit New York」で発表された主要なアップデートとして、以下を紹介した。
- Amazon Translateにおける日本語を含む6言語のサポート
- AWS Snowball Edge用EC2コンピューティングインスタンス
- Amazon S3のリクエストパフォーマンスの向上
- Amazon EC2のインスタンスの選択肢拡大
- Amazon Virtual Private CloudにおけるIP持ち込み
「Amazon Translate」は翻訳APIであるため、AWSのマネジメントコンソールから呼び出す形で利用できる。米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)、AWS GovCloudで利用が可能だ。今回、日本語、ロシア語、イタリア語、繁体字中国語、トルコ語、チェコ語のサポートが追加された。今年後半には、デンマーク語、オランダ語、フィンランド語、ヘブライ語、ポーランド語、スウェーデン語のサポートが追加される予定となっている。
AWS Snowball Edgeは、データ移行およびエッジコンピューティングのデバイスで、Amazon EC2上のアプリケーションやAWS Lambdaの関数を用いるコンピューティングタスクに対応している。今回、このAWS Snowball Edgeのデバイス上でEC2のコンピューティングインスタンスが発表された。
瀧澤氏は、「AWS Snowball Edge用EC2コンピューティングインスタンス」は、EC2をオンプレミスで利用したいという顧客のニーズに応えたようなものと述べた。その用途として、インターネットに接続していない環境において、AWS Snowball Edgeでデータを収集・処理を実行した後、処理済みのデータをAWS戻すといったことがある。
「Amazon S3のリクエストパフォーマンスの向上」としては、データの追加で最大毎秒3500リクエスト、データの取得で最大毎秒5500リクエストをサポートできるようになった。「このアップデートは地味だけど、顧客の反応はすごくいい」と瀧澤氏は述べた。
「AWS Summit New York」で発表されたAmazon EC2の新たなインスタンス「z1d」「R5」「R5d」については、同日に利用開始が発表された。
「z1d」はTurbo Boostを搭載した最大4.0GHzで動作する計算集約型インスタンスで、EDA(Electronic Design Automation)やRDBMSのワークロードに適している。対応リージョンは、米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)、東京、シンガポール。
「R5」はメモリ集約型インスタンスをベースとして、高性能データベース、分散型インメモリキャッシュ、インメモリ分析、ビッグデータ分析をサポートするように設計されているメモリ最適型のインスタンス。対応リージョンは、米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)。
「R5d」はローカルNVMeストレージ(最大のR5dインスタンスでは最大3.6TB)を備えたメモリ最適型のインスタンス。R5インスタンスと同じサイズ・性能で利用できる。
そのほか、瀧澤氏は最近の注目すべきアップデートとして「Amazon EBSスナップショットのライフサイクル管理」と「Amazon Elastic File Systemの東京リージョンサポート」を紹介した。
Amazon EBSでボリュームスナップショットの作成・保存・削除を自動化するAmazon Data Lifecycle Managerの提供が開始された。12時間または24時間の感覚でスナップショットをとることが可能になり、スナップショットの時間を指定できる。
Amazon Elastic File SystemはAWS クラウドサービスおよびオンプレミスリソースで利用できる、シンプル、スケーラブル、伸縮自在なファイルストレージ。Amazon Elastic Block Storeとのパフォーマンスの比較は以下の表のとおりだ。