NECとアプレは、アプレが保有する高級ブランド品の高い真贋判定技術と、NECのAI技術を組み合わせた真贋判定サービス「TALグレーディングレポート発行サービス」を、アプレの新ビジネスとして共創したことを発表した。同サービスの提供は、2018年9月に開始予定。

  • TALグレーディングレポート発行サービス 概要図

    TALグレーディングレポート発行サービス 概要図

高級ブランドの二次流通品(中古品や並行輸入品など)は市場が年々拡大しており、模倣品の流通防止や鑑定に基づく適正な価格での取引が求められている。二次流通品の真贋判定は専門家の鑑定により行われるが、鑑定書が付属された取引が少ないうえ取引毎に鑑定が必要となるため、専門家の不足が課題となっている。また、鑑定書を発行しても、現品がすり替わる可能性があるため鑑定書による取引が普及しづらい。

今回、アプレとNECは、これまで培ってきた真贋判定技術と、NECのAI「NEC the WISE」の物体指紋認証技術を活用した「GAZIRU個体識別サービス」を組み合わせ、新しいビジネス「TALグレーディングレポート発行サービス」を開始する。

同サービスは、アプレによる高級ブランド品の真贋判定結果をグレーディングレポートとして発行し、NECの「GAZIRU個体識別サービス」により現品の画像と関連づけて管理することで、すり替わりを防止できる信頼性の高いレポートの提供を実現するもの。

二次流通業者や個人が二次流通市場で自らの取扱商品を販売する際に、アプレの同サービスを利用して、取扱商品の真贋判定結果に基づき発行・管理されるグレーディングレポートの提供を受けることで、以後の取引の際に専門家による再鑑定が不要となる。これにより、鑑定コストの削減や二次流通業界全体における鑑定工数不足の解消が期待できる。また、信頼性の高いレポートをもとに安心して取引が行えることで、自らの取扱商品の販売促進へ貢献するとしている。

なお、NECのGAZIRU個体識別サービスは、製品や部品の表面に自然発生する微細な差異から個体を識別する「物体指紋認証技術」を活用したもの。商品の撮影画像のみで個体を識別できるため、識別用のICタグやバーコードの準備・取り付け工数を削減できるうえ、偽造等に対する安全性がより強固になり、アプレが提供する「TALグレーディングレポート発行サービス」の信頼性を高め、二次流通市場からの不正品の撲滅・排除に貢献する。

一方、アプレは、今後も二次流通市場において信頼性を担保したトレーサビリティを確立し、真贋判定のよりどころとなるように科学判定とAI技術を積極的に活用していくとしている。