サイランスは7月26日、「サイランス脅威レポート2017」日本語版を公開した。160カ国の政府機関や組織から得られたデータを元に作成された同レポートは、2017年に同社の顧客に影響を及ぼした重大なサイバー脅威や業界トレンド・分析などをまとめたもの。
同レポートでは、注目すべきポイントの1つとして、増加する一方の破壊的な攻撃のうち、とりわけランサムウェアファミリは、1年間で3倍にも増加しており、特に医療業界に大きな影響を及ぼしていることを挙げている。
2017年の攻撃の多くが、攻撃が発生する9カ月以上前から報告されていた既知の脆弱性を悪用したものだったという。
最も一般的な感染ベクトルとしては、引き続きフィッシングメールとドライブバイダウンロードだったとしている。
特に多くの攻撃を受けた業界としては、食品業界が挙げられている。
同社は、2017年に攻撃の感染が増えて巧妙化が進んでいることから、サイバー犯罪者が企業・組織における従来の保護機能を回避するために、マルウェアや攻撃手法を巧みに改良していることがわかると指摘している。
こうした背景の下、企業は脅威を認識して常に最新のパッチを適用し、進化し続けるマルウェアにも対処できる防御機能を採用することが極めて重要になるとアドバイスしている。