サイボウズは7月24日、みんなのコードと共同で、同社のクラウドサービス「kintone(キントーン)」を使用した小学4年生を対象とした国語・理科のプログラミング教育指導案を無償で提供開始した。

同社がプログラミング教育指導案の開発に取り組んだ背景には、2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されることがある。小学校のプログラミング教育の狙いの1つに、「コンピュータを意図した処理を行うように指示することが可能なことを」各教科で体験させながら、プログラミング的思考を育成することがある。

サイボウズ 社長室 デジタルビジネスプロデューサーの中村龍太氏はこうした狙いを踏まえた上で、同社としては、プログラミングによって「ソフトウェアエンジニアの育成」「ソフトウェアの重要性の理解」「論理的思考力の獲得」「問題解決能力、創造性、チームワーク力、コミュニケーション力、知識の習得」を実現できると考えていると語る。

同社のkintoneは「どう作るか」を考えることが重要な作業であることから、「論理的思考力の獲得」「問題解決能力と創造性の習得」をサポートできるが、論理的思考力、問題解決能力、創造性を利用して、各科目を学ぶことにつなげることを実現するため、みんなのコードの力を借りたという。

みんなのコードはNPOとして、全国の教員および教育機関の支援、プログラミング教育の普及啓蒙、政策提言に取り組んでいる。

今回、開発された教育指導案は、「国語:新聞の作成のアンケート×プログラミングで考える・書く活動を充実」と「理科:継続観察×プログラミングで生き物の変化を深く学ぶ」だ。

栃木県小山市立城北小学校で、教育指導案とkintoneを活用した実証実験が行われた。国語の授業では、kintoneを活用することで、手作業で行っていたアンケートの作成・集計において、8ステップかかっていた行程が3ステップに省力化されたという。これにより、児童はアンケートの設計や考察に時間をかけることが可能になったとのことだ。理科については、従来の授業形態では難しかった1年間にわたって記録することが難しかった生き物の観察において、クラウドデータベースの長所を生かしている。

教育指導案はPDF形式で提供され、kintoneのユーザーライセンスは30日間無料のお試しライセンスが提供される。ライセンス期限は、相談の上、使用期間を延長できる。