米AppleがApp Storeの審査ガイドラインをアップデートし、「3.1.5 (b) 暗号通貨」にマイニングに関する規定を追加した。iOS、macOS、watchOS、tvOSにおいて、アプリ内で暗号通貨のマイニングを行うアプリの提供を禁じている。

今年3月にQbixがMac App Storeで提供しているMac用の「Calendar 2」の有料機能へのアクセスに、ユーザーのMacをマイニングに利用するオプションを用意した。ところが、Qbixが意図したように機能せず、ユーザーがマイニングに同意していないのにマイニングが行われたり、MacのCPUに重い負荷がかかるといったトラブルが相次ぎ、QbixはCalendar 2をMac App Storeから取り下げた。その際に、App Storeで提供されるアプリで、仮想通貨のマイニングを提供できる是非の議論が広がった。

App Storeの審査ガイドラインの新しい「3.1.5 (b) 暗号通貨」は以下の5つから成る (6月11日時点でアップデートされているのは英語版のみ)。

  1. ウオレット:組織として登録されているデベロッパのみ、仮想通貨ストレージを持ったアプリの提供が可能。
  2. マイニング:デバイス外でのマイニング (例:クラウドベースのマイニング)を除いて、アプリでの暗号通貨のマイニングは認めない。
  3. 交換:交換所自身が提供する場合のみ、承認された交換所における暗号通貨の取引や送信をアプリで提供できる。
  4. ICO (Initial Coin Offering/ 新規仮想通貨公開):ICO、暗号通貨の先物取引、その他の暗号証券や準証券による取引を行うアプリは、既存の銀行、証券会社、先物取引業者 (FCM)、または他の承認された金融機関のみが提供でき、適用されるすべての法令に準拠している必要がある。
  5. 他のアプリをダウンロードさせたり、他のユーザーにダウンロードを促す、またはソーシャルネットワーキングサービスに投稿させるといった、タスクを完了させるために仮想通貨アプリが通貨を提供するのを禁じる。

これまでApp Storeで配信されるアプリのマイニングに関しては、「3.2.2 許容されない行為」で、ハードウェアまたはオペレーティングシステムに内蔵される機能をマネタイズに利用するのを禁じる項目に抵触する可能性が指摘されていた。