NTT東日本とアースアイズは5月28日、AIを利用して小売業界における万引き被害の削減と店舗業務の効率化の推進を目的とする業務提携を発表し、AIカメラを利用した小売店舗向け万引き防止AIサービスである「AIガードマン」を6月下旬から提供を開始する。
アースアイズは、行動検知AI(人工知能)を利用した防犯システムを提供しており、新サービスは不審行動を検知できるAIを搭載したカメラが、来店客の不審行動(うろうろ、きょろきょろなど)を検知し、AIクラウドから店員が持つスマートフォンに検知場所や静止画などの検知情報を通知する。
通知を受けた店員が不審者に声がけすることで、万引き防止に利用できるという。通常の防犯カメラでは店員や警備スタッフが映像を確認する必要があるが、人間の代わりに同サービスが不審行動を監視することで、効率的な声がけが可能になるとしている。
今回、提供するAIカメラは検知角度および検知距離の向上により、従来のアースアイズのAIカメラと比較して検知エリアが約3倍に拡大しており、少ない台数で必要な範囲をカバーできるという。
AIカメラが検知した検知場所や写真などの情報はAIクラウドを経由して即時に店員のスマートフォンに通知するほか、検知映像はオンラインストレージに保管するため、店舗にサーバやレコーダーを設置する必要はないとしている。
AIが不審行動を検知するために必要なパターンファイルは、アースアイズが保有する過去の膨大な消費者行動データを基に作成。AIクラウドのパターンファイルの更新により、新たな万引きの手口が出現や顧客層の変化により不審行動が変化した場合でも、AIカメラが不審行動を検知できるという。
また、検知数や店員による声がけの実施状況(スマートフォンで声がけ完了登録した数など)を定期的に通知し、効果の可視化により、声がけの継続的な取り組みに利用できるとしている。店舗からの利用方法の問い合せや検知感度の変更などの申し込みは、サポートセンターで対応する。
料金は、初期費用がAIカメラ1台あたり23万8000円(税別)、設置位置の調査および設置・設定は実費。月額利用料はAIクラウドが1IDあたり4000円(同)であり、AIカメラ1台につき1IDが必要となる。なお、オンラインストレージの容量により別途月額利用料が追加となる。