テラスカイは5月23日、都内で事業戦略説明会を開催した。説明会では、2018年2月期の決算概要や2019年の2月期の事業計画について発表した。
同社では、セールスフォースやAWSなどクラウドを活用したシステム開発の支援および受託開発を手がけるクラウドインテグレーション事業と、クラウドに特化したサービス・製品を開発・提供する製品事業が柱となっている。
冒頭、テラスカイ 代表取締役社長の佐藤秀哉氏は「昨今では金融系の顧客がクラウドを活用し始めており、売り上げの4割を占めている」と述べており、2018年2月期の売上高は48億6400万円、セグメント別の売上高はクラウドインテグレーション事業が39億8900万円、製品事業が8億7500万円となった。
佐藤氏は「クラウドインテグレーション事業が大きく成長しており、4分の3がセールスフォース、当初は売上高の1割程度だったAWSが4分1まで成長している。2019年2月期は67億7700万円の売上高を見込んでおり、2020年には100億円を目指すことが大きな目標だ」と、胸を張る。
100億円を目指す施策とは
同社では100億円の売上高を目指すため、成長分野にチャレンジしていくという。具体的には「R&D部の設立」「コミュニケーションプラットフォーム『mitoco』への投資」「次世代コンタクトセンターへの対応」「セールスフォースのパートナーが提供するビジネスアプリケーション群『AppExchange』の支援」「ポストモダンERPの推進」などに取り組む。
R&D部の設立については、これまで社内に分散していた組織を集約し、機械学習、仮想パーソナルアシスタント、RPA(Class 2 RPA)、量子コンピュータ、IoT、AR/VRの7つのテーマに取り組む。
mitocoへの投資に関しては、これまで製品開発に5億円以上投資しているが、引き続き行っていく。また、りそな銀行では5月23日に同プラットフォームの運用を開始しており、現状では2000IDとなっているが、2万6000IDまで拡大していく方針だ。
次世代コンタクトセンターへの対応では、すでに5月9日にLINE Payのカスタマーサービスで「オムニチャネル LINK for LINE カスタマーコネクト」を開始。同月末にはクラウド型コンタクトセンターソリューション「Amazon Connect」のPoC(Proof of Concept)サービスとして「ぴたっとコネクト for AWS」の提供を開始し、価格は税別で30万円、今年度中に10社への提供を目指す。
AppExchangeの支援については、アプリケーションの構築、販売を支援する。一例としては予約管理システム「ChoiceRESERVE」をセールスフォースに連携し、Web予約を起点としたO2Oマーケティングから営業・実績管理までを一元管理することを可能としている。
ポストモダンERPでは、企業においてライフサイクルの長いERPのコア機能と、変化の激しい周辺アプリケーションを業務やサービスの特性に合わせて最適なものを選択し、組み合わせることを同社の子会社であるクラウドERP専業インテグレーターのBeeXを中心に支援していく。これにより、従来はアプリケーション同士が密結合型だったものを疎結合型にすることで、変化と多様性への対応力とミッションクリティカル性を共存させるという。
これらの施策に加え、西日本支社を大阪に新設したほか、5月上旬には本社を移転している。また、子会社を含め、社員数を現在の500人から約700人まで増員させる方針としており、一連の取り組みを通じて売上高100億円を目指す考えだ。