Kaspersky Labは、北米2,000ユーザーからの調査結果をもとにしたデジタルセキュリティからもたらされるストレスについてのレポートを発行。公式ブログでその考察を述べている。
日常生活においてサイバーセキュリティがストレスになっているかどうか、データの保護という点で誰を信じるか、などだ。調査結果をまとめた「The State of Cyber-Stress」からは、81%の米国人、72%のカナダ人が、データ漏洩問題がストレスになっていると回答しており、個人的にサイバーセキュリティ問題による影響を受けていると感じていることがわかった。専門家によると、定期的にストレスを感じている消費者は、平均的な消費者よりも問題が生じやすいという。また、消費者の半分近くが、パスワードを大きなストレスに感じていることがわかった。16歳~24歳のうち46%が、安全なパスワードを選び、追跡するのは大きな負荷と感じていると認めている。
「少なくとも1回はここ数年でサイバーセキュリティの問題を体験した」という人が46%。さらには、「過去5年に4回以上サイバーセキュリティ問題を体験した」という人が米国には14%、カナダには6%という結果。セキュリティインシデントを経験するとストレスが強まる傾向も述べており、33%が、「過去5年にサイバーセキュリティ問題を経験したあと、自分のデバイスを保護することをストレスに感じる」と回答している。実際、便利なサービスが増える一方、各サービスでは複雑で長いパスワードとIDが必要となる。すべてを暗記するのは至難だがブログでは、パスワード管理ソフトウェアを使うことをお勧めしている。
また、データ漏洩の増加からは、5人に1人(22%)は信頼できるセクターはないと考えており、ほとんどがパスワード管理ソフトウェアすら信じられないと感じている。コンシューマーは以前に増して慎重になっていることが覗え、企業と技術ソリューションは自分たちの情報を守ってくれるという点で信頼を失っている。サイバーセキュリティのリスクについて意識は高まっているが、自分のデバイスをどうやって安全にするかがわからない、自分のデジタルライフの管理をどうすれば良いかわからないというユーザー心理の傾向を分析している。
その一方で、コンシューマーは"人"に自分のデータを渡すことには不信感を抱いていない点にも言及している。相手は信頼できないかもしれないし、十分な管理をしないかもしれないし、サイバーセキュリティについてどのように実践するのかを知らない可能性もあると述べている。手厳しいようだが、49%が自分のパートナーとデバイスのユーザー名、パスワードをシェアしていおり、同じく49%がパートナーがセキュリティの質問に答えることを信頼していることもその延長にある。個々人としての重要な情報を守るには、それほどの慎重さが求められるということだ。