SHIFT 代表取締役社長 丹下大氏

SHIFTは5月14日、RPAテクノロジーズと共同で開発したRPAロボット診断・改修サービス「ROBOPIT!」の提供を開始すると発表した。

同サービスは、開発プロセス、パフォーマンス、事故と業務運用のリスク、保守メンテナンスの観点から、既に作成されたロボットを診断する。診断結果に応じて、「改修・開発支援サービス」「メンテナンスサービス」を提供する。

SHIFT 代表取締役社長の丹下大氏は、RPAを導入した企業では「不具合や業務変更によりロボットが止まる」「手離れが悪い」「RPAを開発できるエンジニアが不足」といった課題が生じており、投資対効果を得ることができない企業が増えてきていると指摘した。

「RPAを導入している企業が抱える課題に対し、これまでの業務で培ったノウハウを生かすことができる。年間4000プロジェクト、45万件の不具合情報に基づく『品質保証の方法論』は、ロボットの停止の解決に役立つ。また、われわれエンジニアでない人材がソフトウェアテストを行える仕組みを開発し、事業として成功しているが、こうした採用と人材育成のノウハウはRPAエンジニアの不足に対応できると思っている」(丹下氏)

SHIFT 執行役員 菅原要介氏

丹下氏は、RPAテクノロジーズからRPAのノウハウの提供を受け、SHIFTがRPAの品質保証を行うことで、エンドユーザーが安心・安全に利用できる「止まらないロボット」を提供していくと述べた。

「ROBOPIT!」については、SHIFT 執行役員 菅原要介氏が説明した。同社は、RPAを導入した企業が抱える主な10の課題に対し、「既に作られたロボット」を対象としたサービス「ROBOPIT!」と、「これから作られるロボット」のテストとメンテナンスを行うサービスによって、RPAの品質保証に取り組んでいく。

「ROBOPIT!」では、RPAを導入した企業が抱える主な10の課題を診断し、レポートを提供する。レポートでは、「開発プロセス」「パフォーマンス」「事故リスク」「業務運用リスク」「保守メンテナンスリスク」の診断結果に加え、これら5つのリスクの総合判定結果をもとに投資対効果を判定し、他社と比較することで偏差値も算出する。

  • 診断では、RPA導入企業が抱える主な10の課題に対応

  • 「ROBOPIT!」のレポートのサンプル画面

RPAテクノロジーズ 代表取締役社長 大角暢之氏

説明会には、RPAテクノロジーズ 代表取締役社長の大角暢之氏も参加し、両社の協業の背景と狙いについて語った。

RPAは大手企業に始まり、今では全国の中堅・中小企業においても導入が加速しているが、そうしたなか、同社は、RPAをデジタルレイバーとしていかにスケールし、高度化させることをミッションとしているという。大角氏は、デジタルレイバーのスケールと高度化に必要な要素として、「技術基盤」「内製力」「人材育成」を挙げた。「内製力」とは、デジタルレイバーの企画、実装、修正、運用が行える能力だ。

大角氏によると、現在、内製力が不足しているために、RPAの導入が進む一方で自走と完全定着に壁を迎えている企業が多いという。

今回、両社の協業の下、「ROBOPIT!」を提供することで、RPAを導入する企業に「内製力」をつけてもらい、スケールと高度化を実現してもらうことを狙っている。

「ROBOPIT!」の価格は、診断対象のロボットが3つの場合、120万円からとなっている。ロボットの選定からレポート報告まで、最短5営業日で対応するとしている。