日本電気(以下、NEC)は、画像データを用いた検品業務の効率化などを実現する、NECのAI技術群「NEC the WISE」のひとつであるディープラーニング(深層学習)技術を搭載したソフトウェア製品「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習」を強化し、販売活動を開始した。

  • OneClass分類アルゴリズムによる検品業務イメージ

    OneClass分類アルゴリズムによる検品業務イメージ

「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習」は、高精度な画像認識やデータ関連性の分析を行う軽量・高速なAIエンジンとして、工場ラインでの検品業務などに活用されているソフトウェア。不良品を検出する検品業務にAIを導入する際、従来は良品・不良品双方の画像データを1,000件規模で事前学習する必要があったが、製造精度の高い日本の工場などでは、不良品データを大量に収集する事が困難なため、検品業務にAIを導入しにくいという課題があった。

今回同製品に、良品データのみで学習可能なOneClass分類アルゴリズムを導入することにより、製造品質が高く不良品データを入手しにくい製造業においても、検品業務にAIが適用可能となったという。また、操作画面のインターフェースを刷新して分析機能を集約したため、ナビゲーションに従った操作が可能となり、専門家以外でも容易に分析可能になっている。さらに、企業の人材採用や離職防止などで活用されているテキストデータのマッチング分析において、従来はテキストとして取り扱っていた数字情報を、本来の数字としての意味を保ったまま解析できるようになったという。これにより、大量生産の工場ラインにおいて、長時間かつ均一な判断を求められる検品業務の効率化が可能となり、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に貢献するということだ。

発売開始時期は、「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習V2.2画像解析版」は6月4日、「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習V2.2マッチング版」は5月21日が予定されており、いずれも価格は375万円(税別)からとなっている。なお、同製品は、5月9日〜11日に東京ビッグサイトで開催される「IoT/M2M展」と、6月7日に東京コンベンションホールで開催される「NEC the WISE Summit 2018」に出展される予定となっている。