既報の通り、NTTグループは、Dell Technologiesとともに、米ラスベガスにおいて、多くの人が集まる市街地やイベント会場等において、群衆の動き、交通状況、緊急事態の発生等を監視する実証実験を行うと発表した。

4月30日~5月2日ラスベガスで開催された「Dell Technologies World 2018」では、NTTがブースを出展。ジオラマとARアニメを用いて紹介していた。

  • 「Dell Technologies World 2018」では、NTTがブースを出展。ジオラマとARアニメを用いて紹介

今回のシステムでは、群衆の動きや量、交通状況のほか、叫び声、ガラスの割れる音など、周辺での事件性の高い音声等の情報に加え、気候データやSNS情報等を総合的に活用し、例えば、この気温でこんなに人が集まるのはおかしい、この天気でこんなに人が集まるのはおかしいなど、NTTグループのAI技術「corevo」で分析する。

  • 気温や天候なども考慮して判断

通常は低解像度の映像を使うが、危険がせまっている可能性がある場合、さらに高解像度の映像で分析。設定したしきい値を超えると、地元の警察や自治体に通報する。ただし、実際に行動を起こすかどうかは、ユーザー側が判断するという。

  • 異常を検知するとユーザーに情報を提供

映像では、顔認証による犯罪履歴があるかないかを判断するほか、自動車のナンバーを読み取り、盗難車がどうかも判断する。

  • 実証実験の概要

実証実験の開始は今年の9月を予定しており、現在は準備の段階。どの程度のエリアを対象に行うかは、今後、決定するという。

今回の実証実験では、Dell Technologiesグループ(Dell、Dell EMC、VMware)が、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ、IoTゲートウェイ、サーバー、ストレージ、関連インフラ、NFV、IoTソリューションの提供およびリファレンスアーキテクチャ構築を支援。NTTグループ(NTT、NTTデータ、NTTコミュニケーションズ、ディメンションデータ)が、複数レイヤーを跨がるICTリソースを提供・管理する「コグニティブ・ファウンデーション」、AIによる音声や画像などのマルチメディアデータ分析技術の提供、ソリューション全体のシステムインテグレーションおよびラスベガス市との各種調整を行う。

Dell Technologiesでは、今回の計画が始まった段階からエンジニアが加わり、設計・検討を行っていたという。

今回の件について、「Dell Technologies World 2018」に参加中だったEMCジャパン 代表取締役社長 大塚俊彦氏は、「4つのトランスフォーメーションを進めていく中で、価値ある高いソリューションを持つパートナーと提携していくことは不可欠。今回の実証実験の結果を踏まえ、日本も視野にいれながらスマートシティの展開を検討していく」と語った。