自動車から人型のロボットへ変形する、まるでアニメのようなロボットが発表された。この開発には、ソフトバンクグループのアスラテックが関わっている。現時点ではロマン以外にこれといった実用性を見出せない変形ロボットだが、なぜアスラテックはこうした活動にもリソースを投じているのだろうか。

子供のころの夢を叶えた「変形ロボ」

ジェイダイト・ライド有限責任事業組合を構成するソフトバンクグループのアスラテック、遊園地などの遊戯機械や舞台装置製造の三精テクノロジーズ、そしてBRAVE ROBOTICSの3社は共同で、乗用人型変形ロボット「J-deite RIDE(ジェイダイト・ライド)」の試作機を発表した。

J-deite RIDEは、自動車型(ビークルモード)から変形して全高約3.7mという大型の人型(ロボットモード)に変形するロボットだ。ものすごく乱暴に言ってしまえば「実物大トランスフォーマー」と言っていいだろう(ちなみに玩具のトランスフォーマーを展開するタカラトミーもこの「J-deite」プロジェクトをトランスフォーマー公式プロジェクトとしてに認定している)。

実際、J-deiteプロジェクト自体が、設計と開発を担当するBRAVE ROBOTICSの石田賢司社長が子供の頃に見たアニメなどから育んだ「ロボットは変形して合体して空を飛ぶもの」というこだわりから生まれたものだという。まさに子供の夢をかなえたプロジェクトなのだ。

  • ビークルモードではクーペなのだが後部が妙に長めで、ハッチバックというよりはワゴン風にも見える。全幅が約1.9mもあることもあって、前から見た時のインパクトはかなり押しが強い

  • こちらがロボットモード。ちなみにデザインは「機動戦士ガンダム」など往年のロボットアニメのメカデザインで知られる大河原邦男氏によるもの。写真もいわゆるガワラ立ちを意識してみた